誰からも管理されずに中央集権を置かないことで、仲介業者を排除するという仮想通貨のテクノロジーは、P2Pでの取引となります。仮想通貨の説明の際には必ず出てくるP2Pという言葉ですが、ここでは、仮想通貨におけるP2Pについて分かりやすく解説します。

P2Pとは

サトシ・ナカモトによるビットコインの論文には、仮想通貨はブロックチェーンテクノロジーを利用することで、仲介業者を必要としないP2Pの取引が可能になるとあります。

例えば、海外送金では仲介業者であるいくつかの銀行を経由せずに、個人間での送金が可能になりますから、取引手数料はほぼゼロ円に近く、送金時間も以前に比べればあっという間に完了してしまいます。

P2Pとは、peer-to-peer(ピア・ツー・ピア)の略称で、元々は複数のコンピューターを介する情報処理における方式としてのIT用語です。Peerとは、日本語では、同格の、同等のなどという意味で、同格のPCから同格のPCへというような意味を表します。

Pを表すpeerは個々の端末のことを表しており、それらの複数のpeerが互いに信頼し合い相互協力して作るネットワークのことをP2Pと呼びます。

それでは、これまでの仲介者が存在するP2Pではないネットワークとはどういうものなのでしょうか。

クライアントサーバ型とは

海外送金の例で説明すると、日本から米国に送金する場合には、まず日本の銀行を経由して米国の銀行に送金することになり、送金が完了するまでには複数の銀行が仲介者として存在し、現状で時間数日かかりますし、取引手数料も数千円かかります。

このシステムにしても、しっかりとした銀行が仲介者として存在することによって成り立っているわけで、仲介者が存在しない発展途上国などでは送金すること自体が難しかったり危険であったりするわけです。

このような既存のシステムのことをクライアントサーバ型と呼びますが、その関係とはクライアント(依頼者)とサーバ(サービス提供者)となり、仮想通貨は中央集権を持たないといいますが、このサーバ(サービス提供者)こそが中央集権となるわけです。

例えば、今ではお店に買い物に行かなくてもネットショップで気軽に簡単に購入できますが、それは消費者とお店を繋ぐサーバ(中央集権)としてのAmazonなどが存在するからです。

つまり、現在提供されているサービスはほとんどがクライアントサーバ型で提供されていることになります。

P2Pの仕組み

上記のように、現在の世の中のほとんどはクライアントサーバ型によって成り立っており、仮想通貨で実現するP2Pの世界は、大きく世の中を変革させることになります。

これまで仲介者として存在してきたサーバが必要なくなり、クライアントだけでやりとりすることができるようになるわけで、一つ一つのPC(peer)がクライアントでもありサーバでもあります。

P2Pでは、クライアントサーバ型と違って、サーバにアクセスが集中して負荷がかかり回線がパンクすることもなくなりますし、ダウンロードするのに時間がかかるようなこともなくなります。

海外送金の話に戻すと、銀行(サーバ)を経由せずとも個人間で安全にタダ同然で瞬時に送金できるようになるわけです。

LINEやスカイプもP2P

身近なところでは、LINEやスカイプなどはP2Pを採用しており、このためユーザーは誰とでも無料で利用することが可能となっています。

これに対して、メールでのやり取りの場合には、メールサーバを介してメールのやり取りを行いますのでクライアントサーバ型であり、巨大なサーバを維持するためには結構なコストがかかることになります。

P2Pでは、このサーバが必要ないため、そのためのコストは発生しません。

仮想通貨におけるP2P

仮想通貨は、P2Pのネットワークを利用して仲介者をなくすことができるのは、仮想通貨のブロックチェーンテクノロジーがあるからで、このテクノロジーを考案したのが謎の人物サトシ・ナカモトといわれています。

ブロックチェーンを維持するには、ビットコインの例で説明すると、ブロックチェーンのブロックを生成するマイニング作業をするマイナーに報酬としてビットコインが支払われます。

従って、厳密に言うとP2Pネットワークが成立するためには、報酬として仮想通貨が必要となりますが、これらを運営するのに若干のコストが発生します。

とは言え、既存のクライアントサーバ型のコストと比較すると微々たるものであり、ほぼ無料でサービスが提供されることになります。

まとめ

LINEやスカイプも無料で利用できますが、システムはP2PでもLINEやスカイプという中央集権は存在しており、これらが運営できなくなればサービスは停止してしまいます。

仮想通貨のブロックチェーンテクノロジーはすべての仲介者や中央集権をなくす技術で、このブロックチェーンで成り立つのがP2Pネットワークとなります。