手持ちの仮想通貨を一定期間貸し出すことで金利を得られる「レンディング」というサービスに国内の仮想通貨取引業者が相次いで参入し、年利3〜5%という高利回りで人気を集めています。各社のレンディングサービスの内容やその利点、デメリットなどについて解説します。

仮想通貨のレンディングとは?

レンディングとは、仮想通貨を保有している人が一定期間その仮想通貨を貸し出すと、その仮想通貨が増えて戻ってくるという、いわば仮想通貨版の定期預金のようなものです。貸し出しの相手方は、日本の場合は仮想通貨取引所(仮想通貨交換業者)です。海外には投資家間の仮想通貨の貸し借りを仲介するサイトもあります。

一般的な仮想通貨の取引では、まず仮想通貨取引所に開設した口座に仮想通貨を預けておいて、そこから別の仮想通貨や法定通貨との売買を行っていますが、これはいつでも引き出せる銀行の普通預金のようなものです。ただ、普通預金とは違い、口座に仮想通貨を預けておくだけでは金利は付きません。仮想通貨交換業者がそれを運用しているわけではないからです。

これに対し、レンディングでは銀行の定期預金と同様に、満期を迎えるまで仮想通貨を引き出したり売却したりできなくなります。その間に取引所は、借り受けた仮想通貨を信用取引の利用者に貸し付けるなどして運用します。

各社の仮想通貨 レンディングサービス

日本の取引所ではコインチェックが2017年から仮想通貨のレンディングサービスを行っていましたが、2018年1月のハッキング事件を受けて、現在は新規ユーザー登録を停止しています。その後、2018年春にコインチェック、GMOコインの両社が同サービスを開始しています。

GMOコインの仮想通貨レンディング

GMOコインは満期90日または150日、年利5%

GMOコインは2018年4月から「貸仮想通貨」の名称でレンディングサービスを始めました。

同年4月の募集では対象通貨はビットコイン(BTC)のみ。5月の募集ではイーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)、リップル(XRP)という主要アルトコインが対象となりました。

利回りはいずれも年利5%で、貸し出し期間はビットコインでは90日間、アルトコインでは150日間とされています。最小申し込み数量は、ビットコインが10BTC、イーサリアムが100ETH、ビットコインキャッシュが50BCH、ライトコインが300LTC、リップルが10万XRPです。これらの条件は募集時期ごとに変わるようです。

ただ、GMOコインのレンディングサービスはいつでも申し込めるわけではなく、2018年5月度の募集では申込期間は同月9〜23日とされており、その後の募集は同年7月上旬時点では行われていません。

ビットバンクの仮想通貨レンディング

ビットバンクは満期1年、年利3〜5%

一方、ビットバンクのレンディングサービスは「『仮想通貨を貸して増やす』サービス」という名称で、2018年5月にスタートしました。対象通貨は今のところビットコインのみですが、今後、イーサリアム、ライトコイン、リップル、モナコイン、ビットコインキャッシュも対象となるとのこと。いずれもビットバンクで取り扱っている仮想通貨です。

貸し出し期間は1年間で、GMOコインと比べ長期間になっています。最小申し込み数量は1BTC。利回りは1BTC以上5BTC未満の場合3%、5BTC以上10BTC未満で4%、10BTC以上で5%となっています。途中解約した場合は5%の中途解約手数料がかかります。

仮想通貨レンディングのデメリット

仮想通貨レンディングの年利3〜5%は、銀行預金などと比べると一見はるかに高利回りのように思えます。ただ、仮想通貨は値動きの激しさが特徴です。満期を迎えるまでの90日間ないし1年間は保有する仮想通貨を一切動かせないため、どんなに暴騰しても利益確定できず、暴落しても損切りができません。

仮想通貨の価格変動リスクを考えると、3〜5%の利回りがそれに見合ったものかどうかは見方が分かれるところです。

また、レンディングは無担保で、もし仮想通貨取引所が経営破綻した場合、貸し付けた仮想通貨が戻ってくる保証はありません。

GMOコインの契約約款にも「当社が破綻した場合は、お客様が当社に対して貸し付けた仮想通貨が返還されない場合がある」と明記されており、契約を結ぶとこの条項に同意したことになります。

銀行が破綻した場合には預金保険法によって預金者は保護されるのに対し、レンディングには取引所が破綻した場合に仮想通貨を貸し付けた人を救済する制度は今のところありません。

レンディングサービスに申し込むに当たっては、こうしたリスクをよく理解しておく必要があります。

仮想通貨レンディングのメリット

逆にレンディングのメリットは、ただ預けているだけで仮想通貨が増えて戻ってくることでしょう。仮想通貨の目先の値動きに惑わされず、将来性に期待してしばらくは取引せず保有を続けたいと考えている「ガチホールド」の投資家には、好都合なサービスかもしれません。

海外の同種サービスには日本のものよりはるかに高利回りのものもありますが、その分リスクは高そうです。その点、日本の仮想通貨取引所は、金融庁に登録した仮想通貨交換業者が行っているサービスなので、まだ安心感はあります。

ただし業者側は、仮想通貨レンディングサービスは改正資金決済法で定める仮想通貨交換業には当たらないと主張しており、このサービスが金融庁の監督対象にならない可能性もあります。

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