インターネット時代を象徴するかのように新しい資金調達法として登場したクラウドファンディングですが、最近では、さらに次世代の資金調達法といわれるICO仮想通貨が登場しています。両者はインターネット上で広く資金を調達するという点では似ていますが、違いはどこにあるのでしょうか。ICOとクラウドファンディングの違いについて解説いたします。

ICOによる資金調達の仕組みとは

ICOとは、企業が独自に仮想通貨を発行し、インターネット上で広く融資者を募り購入してもらうことで資金調達する方法です。

その仕組みとは、ICOを始めるにあたりトークンという新しい独自の仮想通貨を発行し、発行されたトークンは融資者により購入され、支払いにはビットコインやイーサリアムなどの流通性のある仮想通貨で行われます。

最近では、イーサリアムベースのICOが急増していますが、企業は受け取った仮想通貨を取引所で換金して資金を調達します。

ICOのトークンの発行は株式の発行と似ており、企業が発行したトークンを購入することで企業への融資になる点は購入型のクラウドファンディングに非常に似ており、これらのことから、ICOは株式とクラウドファンディングを足したようなものだといわれています。

ICOがこれほど人気となったのは、トークンに価値が付くことがあるからで、例えば、ビットコインの場合には、2009年に発行された時にはほとんど価値はありませんでしたが、2017年12月には238万円まで価値が付くことになります。

つまり、ICOのトークンを購入する人たちの多くは、この時価価値目当てで売買による大きな収益を期待してICOに参加してきます。

クラウドファンディングによる資金調達の仕組み

クラウドファンディングとは、アイデアやプロジェクトを持つ起案者が専用のインターネットサイトを通じて、世の中に呼びかけ共感した人たちから広く資金を集めるという資金調達法です。

クラウドファンディングには、資金や支援者へのリターンのあり方によって、寄付型・投資型・融資型・購入型の4つの種類がありますが、この中でも急拡大しており、かつ、ICOによく似ているといわれているのが購入型のクラウドファンディングです。

<購入型クラウドファンディングの5つの特徴>

  1. 個人・団体・企業の大小を問わず誰でも起案者になれる
  2. 双方向のコミュニケーションで繋がりができ仲間意識も芽生える
  3. 活動状況をリアルタイムで報告することで支援者をワクワクさせるゲーム性がある
  4. 魅力的なリターンが提供される
  5. プロジェクト自体がニュースやSNSで話題になることもある

ICOとクラウドファンディングの違い

購入型クラウドファンディングの特徴を見ていると、まさに仮想通貨ICOかと見間違うようなものですが、基本的な違いとしては、クラウドファンディングは日本円などの法定通貨で出資しますが、ICOの場合には仮想通貨で購入します。

つまり、プロジェクトに日本円で出資するのではなく、発行される独自トークンや仮想通貨を購入することでICOに参加することになり、購入した仮想通貨はそれ自体に価値があるため、大きなリターンとなって帰ってくる可能性もあるわけです。

この部分が、前述の株の発行に似ているところで、IPOで未公開株式を購入するような感覚と考えるとよいでしょう。

ただし、株式IPOには非常に厳しい審査がありますし、クラウドファンディングの場合には提供元は一定の審査を受けますが、中央機関のない仮想通貨ICOではどこからの審査を受ける必要もなく資金調達が可能となります。

創設間もない企業が銀行から融資を受けることは難しいですし、株式IPOに至っては夢物語で、ベンチャーキャピタルに直接交渉するというのがこれまでの資金調達方法でした。

ここに、クラウドファンディングが誕生したことで、一定の審査の下で専用のインターネット上で広く多くの人たちや企業に融資を依頼できるようになりました。

そして、仮想通貨ICOでは、ブロックチェーンテクノロジーの下で中央集権を置かずに誰からの管理も受けない方法、つまり、どこからの審査も受けずに資金調達する方法が誕生したこととなります。

ICOとIPOはまったくの別物

多くの人が理解しやすいように、ICOはIPOと似ていると説明していますが、厳密に言うとシステムは似ていますがまったくの別物であり、IPOの場合には非常に厳しい審査にパスした企業のみが証券市場から資金調達することが認められることになります。

IPOの場合には、非常に厳しい審査がありますので、通常は幹事証券とともに最短でも数か月以上から数年かけて審査にパスできるように準備することが必要です。

これに対して、ICOの場合にはどこからの審査もありませんので、資金調達したい企業からすると大変有利な方法となり、創設間もない企業やあるいはまだ創設前の段階で資金調達したいと考える企業が多く利用することになります。