昨年末から国内取引所も増えて、一般の方がビットコインをはじめとする仮想通貨への投資ができる環境が整ってきました。これまでは投資といえば、株式やFXなどが主な金融商品でしたが仮想通貨はこういったものとはどのような違いがあるのでしょうか。今回は株式と仮想通貨の違いについて詳しくまとめてみましょう。

株式は企業の価値に連動する


株式は発行する企業の価値に連動して価格が上下します。グラフはアマゾンが上場してからの株価の推移(折れ線グラフ)ですが、年間売上高(棒グラフ)の上昇に連動していることがわかります。企業の価値自体は売上高だけではなく、様々な指標で確認することができますので、将来企業価値が上がると思われる株を購入するのが基本となります。アマゾンの場合、上場した時に1万円投資していたら現在は500万円以上になっていますね。

仮想通貨はプロジェクトの将来性が鍵


仮想通貨の場合、株式と異なり明確な指標というものが存在しません。仮想通貨(もしくはトークン)の母体となるプロジェクトの将来性が有望であれば価値の上昇が見込めるというのが原則ですが、まだ黎明期である現在はどちらかというと投機的な圧力で価値が変動している状況です。個別の仮想通貨についてはホワイトペーパーなどでプロジェクトの内容を確認することが必要です。

しかし、今の時点での話であれば「仮想通貨」全体が近い将来大きく発展することが見込めますので、有名通貨への投資をしさえすればある程度のリターンが期待できると予想されます。

ビットコインは2009年に誕生当時は無価値の電子情報だったものが、2017年末には1単位が200万円を突破しています。ビットコインは「仮想通貨全体の基軸通貨」という位置付けになっていますので、今後多くの仮想通貨プロジェクトが拡大すればするほどそのニーズが高まるためさらなる価格上昇も見込めます。株式に比べてROA、ROEと言った明確な経営指標がないため現在の価格が適正かどうかの客観的な判断基準は専門家でもわかりません。そのため、価格の乱高下にもつながりやすいという特徴があります。

仮想通貨市場の主役は個人投資家


現在では株式相場での主役は巨額の資金を動かす機関投資家です。世界中のマーケットでシステマティックにトレードをすることで相場そのものに影響力を及ぼしています。普通に戦っては個人投資家には勝ち目が少ないですね。

一方、仮想通貨の取引については未だ個人投資家に大きなチャンスがあるフィールドと言えます。機関投資家は法的な制約もあり、仮想通貨市場にまだ参入してきていません。

2018年中旬には法整備も進み機関投資家の登場もあるという予想が出ています。個人で大きく利益を出すチャンスはまさに今かもしれませんね。

キャピタルゲインとインカムゲイン

キャピタルゲインとは「投資した対象の値上がりで利益を得ること」です。1単位100円の仮想通貨を購入して200円で売却した場合100円の利益です。1万単位であれば100万円の利益になります。わかりやすいですね。これは株式であっても仮想通貨であっても理屈は全く同じです。

株式の場合はこれ以外に株主配当というものがあります。業績が良かった場合に、1株あたりいくらという配当が決算時に支払われます。そのため、株式を売買しなくとも保有し続けることで一定の利益を得ることができます。これをインカムゲインと言います。

ただし、企業によっては配当を出さないところや業績によって無配になることもありますので、保有する銘柄によってインカムゲインは異なります。インカムゲイン目的で長期保有というスタンスも株式投資では選択できます。

仮想通貨にインカムゲインはない?


仮想通貨では基本的に配当という形でのインカムゲインはありません。多くの株式と仮想通貨違いについて記述したサイトでもここまでは書いてありますが、実は全くないという訳ではありません。新しい仮想通貨プロジェクトをスタートするときなどにレインドロップと言って「トークンを無料で配布する」ことが実行されることがあります。

これは、一定の仮想通貨(対象が指定されます)を保有していることが条件になることがありますので、「保有していることに対する利益」と考えれば、インカムゲインに近いイメージですね。ただし、配布されたトークンに価値が出るかどうかはプロジェクトが進まないとわかりません。ちょっと前には条件を満たすだけで数万円相当の仮想通貨が無料で配布された例もあるということです。なんとも羨ましい話ですね。

国内では課税基準が異なる

仮想通貨での売買益については雑所得として最大55%が課税されます。利益の半分以上が税金で取られるというのはなんとも厳しい判断で、多くの投資家が失望しました。

ただし、登場した頃のFX投資も同じ課税基準でしたが、その後株式取引に合わせて約20%の源泉分離課税が適用されるようになりました。現状の課税方式では申告も面倒ですし、早めに課税基準の変更をして欲しいものです。

株と仮想通貨の違いまとめ

他にも株式と仮想通貨の違いというのはいくつか存在します。法的な位置付けによる違いや、取引所の介入取引手数料最低投資額レバレッジ倍率、価格の決定要因などです。

今回はこの中の特徴の違いがわかりやすい4つの観点についてまとめてみました。投資という観点からみると、仮想通貨は株式と比べて価格変動が大きく、個人投資家であっても大きな利益を出すチャンスがあります。一方、ストップ安などありませんので、大きく損をする可能性もあり、利益を出しても税率が高いというデメリットがネックです。

余剰資金の範囲で取り組むのが原則である事を忘れずに投資すれば、個人でも十分に楽しめる新たな市場であることは間違いありません。