ビットコインキャッシュとは、2017年8月のビットコインのハードフォークにより新しく誕生したアルトコインで、ビットコインのブロック容量によるスケーラビリティ問題を解決する仮想通貨として期待されています。ビットコイン分裂騒動など、ビットコインキャッシュが生まれた経緯について徹底的に解説します。

ビットコインキャッシュとは

2017年8月のビットコインハードフォークにより誕生したビットコインキャッシュは、ビットコインという名前はつくものの、仮想通貨としてはまったく別物でありアルトコインとなります。

この似て非なる2つの仮想通貨には大きく異なる部分が2つあります。

ブロック容量の違い

ビットコインはブロックチェーン(取引台帳)に取引履歴を記載することで成り立ちますが、ブロックの容量は1MBとなり、10分間で更新されるブロックではそれ以上の取引データの処理はできません。

この1MBという容量を緩和することで、より多くの取引データを処理できるという理論のもとにビットコインキャッシュは作成されています。

開発者やマイナーが異なる

ビットコインとビットコインキャッシュは全く異なる仮想通貨のため、開発者は異なりますし、マイナーも異なる可能性が高くなります。

ビットコインは、2008年に公表されたサトシ・ナカモトの論文をもとに多くの開発者の協力により開発されましたが、2017年に提唱されたビットコインキャッシュはビットコインの開発者グループとは意見が対立するグループにより開発されました。

ビットコインキャッシュが生まれた経緯

ビットコインのスケーラビリティ問題

ビットコインからビットコインが分裂したのには、ビットコインのスケーラビリティ問題がその発端をいわれています、

ビットコインのスケーラビリティ問題とは、ビットコインのブロックチェーンのブロック容量が1MBであるため、取引が集中した場合に遅延が発生したり、取引手数料が高くなるという不都合が発生していることです。

例えば、ビットコインの決済機能を利用して、電車の改札で利用しようとするとSUICAやPASUMOのようにそのまま通過することができず、承認されるのに時間がかかったり、200円の運賃が260円となって60円の手数料が発生したりするのです。

実際には、JRや私鉄会社が運賃を立て替えてくれることにより改札で待たされることはなくなりますが、高額手数料が発生することになり、これでは誰も利用する人はいなくなるでしょう。

この問題は、ビットコインのブロック容量が少ないからだと考えられており、このブロック容量を拡大させるかデータそのものを縮小させるかというスケーラビリティ問題解決方法で分裂騒動が起こることになります。

仮想通貨のコミュニティとは

分裂とはいってもビットコインそのものが分裂することではなく、コミュニティと呼ばれる仮想通貨関係者の間で意見が対立し、コミュニティが分裂(仲間割れ)すると考えるほうが分かりやすくなります。

コミュニティとは、開発者・マイニングを行う人・事業者・ユーザー・投資家などのことを指し、ビットコインなどの仮想通貨では中央集権を持ちませんので、すべての人が平等なステークホルダーです。

中央集権のない仮想通貨では、これらのコミュニティの誰が欠けてもうまく運営できなくなりますし継続していくことができません。

誰からも管理されないため、これらのコミュニティの人たちはそれぞれ自分が正しいと考えた方向に進みますので、そこには意見の対立が発生する可能性が出てくるわけです。

今回、ビットコインのスケーラビリティ問題解決方法では、開発者が最適であると考える方法を採用することで、マイニングを支えてきたマイニング専門集団が使用しているマイニング機械が利用できなくなる問題が発生しました。

これにより、スケーラビリティ問題解決案として3つの意見が対立し、簡単に言うと取引データの縮小(Segwit)案とブロック容量1MBの拡大案の意見対立が発生します。

すでに2014年からこの問題の解決方法を検討してきた開発者グループ(Bitcoin Core)の導き出した解決方法を採用すると、マイニンググループがこれまでのような利益を上げられなくなることから、対立は決定的となり分裂騒動が起こります。

その後の紆余曲折を経て、2017年8月1日午後22時半ごろに、ビットコインは個人マイナーによりハードフォークされ、これによりビットコインキャッシュが誕生することになりました。

仮想通貨はなぜ分裂するのか

ビットコインから分裂してビットコインキャッシュやビットコインゴールドが誕生し、ビットコインキャッシュがさらに分裂してビットコインキャッシュキャンディが誕生したり、あるいは、イーサリアムも分裂してイーサリアムクラシックという新たなアルトコインが誕生しています。

分裂というと、利害関係からの喧嘩別れというイメージが強く、その点ばかりが強調されて報道されることも多いのですが、確かにそういう面も否定はできないとしても、果たしてそれだけで理解しても良いのでしょうか。

誰からも管理されない中央集権を持たないという仮想通貨で、利害関係から主導権争いが起きて分裂騒動に発展していると理解すると、そもそもの仮想通貨の理念を否定することになります。

そうであれば、2018年1月に始まった仮想通貨相場の大暴落は、仮想通貨の理念が間違っていたという証になるかもしれません。

しかしながら、この分裂が仮想通貨理念にとっては必要なものであり、分裂を起こしている仮想通貨とは成熟している証であり、分裂を繰り返すことで仮想通貨として成長しているという考え方もできます。

分裂していない仮想通貨とは、テクノロジーや仕組みが優秀だからというよりは未成熟だからと考えるということです。

どちらに転ぶかは今後の動きで証明されるでしょうが、さほど時間がかかることはないでしょうし、投資として判断するのであれば、どちらに動いてもウエルカムというところでしょう。