イーサリアムやモネロのコミュニティの中でASICの排斥運動が加速していますが、なぜ反対しているのでしょうか?ここでは、マイニングに使われるASICとは何なのか、CPUによるマイニングとはどう違うのかを分かりやすく解説します。

ASICの特徴とは

ASICとは、特定用途集積回路のことで、Application Specific Integrated Circuitの略称、仮想通貨のマイニングに利用されることの多いプロセッサですが、現状では、組織的な専門家集団のマイナーグループである中国のBITMAIN社が多くを製造・販売しています。

ASICの特徴は、とにかく掘れる(マイニングできる)ということで、イニシャルコストはかかりますが、とにかく掘れるのでコストパフォーマンスは高く、ビットコインのように早いもの勝ちというマイニングに最適なプロセッサです。

ハッシュパワー(計算能力)が高く処理速度当たりの消費電力が相対的に低く抑えられますので、中国などの電気代が安いエリアでは高い収益性をもたらしますし、マイニング専用ですから設定も比較的簡単です。

他のプロセッサと比較した場合にはデメリットも多いのですが、組織化したマイナーグループのように大量のマイニングを行うのには抜群のコストパフォーマンスを発揮します。

ASICのデメリット

現状は、中国のBITMAIN社のほぼ独占状態となっており日本でも利用しているケースはあまりないでしょうが、中国などの電気代が安いエリアで組織的に利用しない場合には、他のプロセッサと比較すると多くのデメリットも目立ちます。

・機器の価格が高く、初期コストがばかにならない
・マイニング以外にはほぼ使い道がなく、古くなると売却も難しい
・稼働中の音がうるさい

スケールメリットを活かして短期間で収益化するという目的以外には、意外とデメリットが多いということです。

CPUによるビットコインマイニング

プロセッサといえば、ほとんどの人が思い浮かべるのが我々のパソコンで使用されているCPUとなりますが、マイニング黎明期には、このCPUでもマイニングすることができましたが、今ではマイニングの成功率はかなり低い状況です。

現在、CPUを利用したマイニングの現実的な方法としては、他のパソコンに協力するプールマイニングとなりますが、報酬も分け合うことになりますのでコストパフォーマンスは低く魅力はほとんど感じられません。

ただし、これはビットコインをマイニングする際の話で、他の将来性のある仮想通貨をマイニングする際にはCPUでも対応可能なケースがあります。

例えば、日本発の仮想通貨BitZenyのようにCPUでのマイニングを前提に作られている仮想通貨も増えています。

ASICでどのくらい稼げるのか

ASICの機器代

CPUによるマイニングの場合には、通常のパソコンで行いますので、新たなイニシャルコストが発生することはありませんが、ASICの場合には専用機器が必要となり、機器代金などが発生します。

マイニングASICの製造・販売は、前述の中国BITMAIN社が世界シェアの約70%を占めており(2017年現在)、自社でマイニングASICを開発し世界中に向けて販売しているわけです。

マイニングASICの機器には、ビッとコイン用とアルトコイン用の2種類があり、ビットコイン用の機器は約15万円前後(1ドル=110円)、アルトコイン用が23万円前後というところです。

日本では通販でのみで購入でき、新品から中古までいろいろありますが、BITMAIN社の直販サイトが安心ですしほぼ最安値で購入できます。ただし、2018年5月初旬時点では売り切れています。

購入する際には、ハッシュレートの高さが重要で、ハッシュレートの高さとマイニングによる報酬はほぼ比例します。

どのくらい稼げるのか?

イニシャルコストがかかっても、ASICでビットコインをマイニングすると僅か数か月で収益化が実現しますが、これは電気代を無視した場合の話で、電気代が世界最強の日本ではASICでも黒字化は難しいといわれています。

日本でビットコインの小規模マイニングを検討するくらいなら、安い価格の時にビットコインを購入したほうがはるかに高い収益が望めそうだということになります。

ASICの排斥運動とは

誰からも管理されない中央集権を持たない仮想通貨ですが、マイニングに関しては、専用機器や電気料金の問題から、寡占化が進む気配もあり、この流れに対して各仮想通貨のコミュニティからはASICを排する動きも出ています。

メジャー通貨の一つであるモネロでは、BITMAIN社がモネロのマイニング専用機器を発売したことに対して、緊急ハードフォークを実施しており、イーサリアムにも同様の動きが出ています。

まとめ

仮想通貨を入手するには、取引所で購入する以外にもマイニングという方法がありますが、マイニングするには専用機器や電気代という問題があり、日本でマイニングするにはコスト面での諸問題があります。

ただし、新しい仮想通貨の中には個人所有のパソコンやスマホでも簡単にマイニングできるようなコインも登場しており、今後はそのようなアルトコインが人気化するかもしれません。