ビットコインなどの仮想通貨は、購入する以外にもマイニング(採掘)で獲得することができます。しかし、日本のように電気代の高い国ではとても採算が取れないといわれます。ビットコインマイニングを行うと電気代ってどのくらいかかるものなのでしょうか?今回、徹底的に調べてみました。

ビットコインマイニングの電力消費量は国の年間消費量並み?

ビットコインのマイニングには電気代が結構かかるという話はよく聞きますが、たかだかパソコンで計算するくらいなのだから知れているだろうと、多くの人は考えているのではないでしょうか。

そうであれば、モルガン・スタンレーからショッキングな内容のニュースが発信されています。

2018年に予想されるビットコインマイニングに要すると想定される電力消費量は、アルゼンチンの年間消費電力量を上回る可能性があると報告しており、さらに、2025年のEV(電気自動車)が必要とする電力消費量をも上回ると言われています。

アルゼンチンは人口約4000万人。それだけの人が暮らす国家の電力消費量や、今後の自動車の標準となることが確定的なEVの電力消費量と同じとは、1年間にビットコインマイニングに使用される電力はとても莫大なものと言えます。エコという観点からはかけ離れたものであると言ってよいかもしれません。

なお、モルガン・スタンレーは、2018年のビットコインの電力消費量は、世界の電力消費量の0.6%を占めると予測しています。

マイナー集団が中国から避難しだした

現在、ビットコインのマイニングはその多くが中国などの電気代の安い国で専門家集団により組織化されて行われています。

中国の電気代がなぜ安いのかというと石炭火力発電が中心だからであり、日本のように原油を中東から輸入して行う火力発電では電気代は高くなります。

これにより、マイニングは中国など一部の国でしか現実的に行われなくなります。クレディスイスの報告によると、ビットコインの97%はわずか4%の人が所有しているとされており、その4%が、中国人の可能性があるそうなのです。

中国政府による規制問題が出るたびに、ビットコインは暴落するのはこのためです。今度は中国政府によるマイニング規制問題も出てきており、マイナー(ビットコインの採掘者)が中国から脱出する動きも出ているようです。

最近、ビットコインの承認作業に時間がかかったり、手数料が高くなっていることが指摘され、これらはスケーラビリティ問題によるものとされていますが、マイナーが中国から脱出しているという問題も影響しているように思われます。

中国から避難しだしたマイナーの行先には北欧などが有望視されています。

膨大な計算量で高熱が発生するために冷却装置が必要となりますが、寒冷地で再生エネルギーが発達している北欧(特にアイスランドなど)は、マイナーにとっては最適のエリアとなり、日本企業からも進出を予定するところが出てきています。

マイニングに必要な電気代の計算方法

ビットコインマイニングにかかる電気代の計算方法はそれほど難しくはありません。

必要なのは、利用している電力会社とPCの電力消費量、マイニングを行っている時間で計算することができ、このうちPCの電気消費量は各パーツのものを足しても良いですし、「ワットチェッカー」という機器で計算することもできます。

例えば、電力単価が1kw/h当たり30円、マイニング用PCの電力消費量が900wで1か月間(30日)マイニングを行ったケースでは、

30円×24h×0.9kw/h×30日=19,440円

つまり、電気代が月に19,440円かかりますので、マイニングでそれ以上の報酬を得る必要があるということになります。

個人でもマイニングで利益を上げられるのか

電気代が分かったら、次にマイニングに使用するPCの計算速度からハッシュレート(採掘速度)が分かればある程度計算することができます。

この計算は自分でも可能ですが、ビットコインのレートは日々変動しており、自分で情報収集しながら計算するのはとても面倒な作業となりますので、様々な仮想通貨でマイニングした場合にどれだけの利益が出るか計算できる専用のサイトを利用するとよいでしょう。

ただし、ハッシュレートは高いほど有利となり、中国などのマイナー集団は個人では太刀打ちできないようなハッシュレートの高い高性能な専用の機器を利用しています。

ビットコインの場合、このようなマイナー集団が多く参加していますので、個人レベルのPCによるハッシュレートでは電気代その他のコスト以上の報酬を得るのは至難の業というところです。

まったくエコではなかったビットコイン

発行上限が決まっているビットコインのマイニングでは、早い者勝ちとなっているため専門家集団が高機能なマイニング用のコンピュータを利用しており、段々とその難易度は高くなっています。

高性能な専用計算機には、それだけ大量の電力が必要ですので、冒頭で説明したようなアルゼンチンの年間電力消費量を超えるような電力が必要となっています。

これもビットコインの価格が上昇している限りはコスト的には問題ないでしょうが、価格が暴落でもしたら、多額の設備投資は採算が取れなくなる可能性もあります。

今後、ビットコインの価格の変動によって、マイニング自体が変わっていくかもしれませんね。