数ある仮想通貨の中で、ビットコインに次ぎ時価総額2位なのがイーサリアム。ビットコインと違って発行上限を設定していないにもかかわらず、堅実に価値を上昇させています。これまでのイーサリアムに起こった出来事やイーサリアムの特徴について解説した上で年表にしてまとめていきます。

(1)2013年:イーサリアムを発案

イーサリアムの考案者は、当時19歳のヴィタリック・ブテリンという人物です。ロシア生まれで6歳の時カナダに移住。小学校3年生で数学、プログラミング、経済学を学び、18歳の時には情報科学の国際オリンピックで銅メダルを獲得する等非凡な才能を持っています。

ビットコイン(Bitcoin)にのめり込み、大学を中退して旅をしている途中で、イーサリアムの原型となるアイデアを思いつきました。

(2)2014年夏:イーサリアム、クラウドセールを実施

ブテリンは2014年、思いついたアイデアを形にするため、Solidityという言語を使ってイーサリアムの開発を始めました。
イーサリアムは、2014年7月から4回のクラウドセールを実施し、16億円の資金調達に成功。プロジェクトが開始されました。

なお、イーサリアムとは仮想通貨の名称ではなく、イーサリアムプロジェクトという計画のために必要な技術として提供されているソフトウェア、アプリケーションなどのプラットフォームを指しています。このプラットフォームを使うための決済通貨がイーサ(Ether、略称ETH)です。

イーサリアムの特徴

イーサリアムの最大の特徴は、スマートコントラクトというシステムです。このシステムを用いることで、取引の記録とともに契約自体もブロックチェーンに半永久的に記録することが可能となっています。

そして、イーサリアムを用いることで、契約書などの公的な書類についても一度インターネット上にアップした書類の内容変更が行われると履歴が残ることになります。そのため、内容の改ざんが行われても、すぐに判別することが可能であり、公正性が保証されるだけでなく、情報の信頼度も高まります。

イーサリアムはまだ完成したシステムではなく、開発当初から「フロンティア」「ホームステッド」「メトロポリス」「セレニティ」の4段階のバージョンアップが予定されていました。現在は第3段階の「メトロポリス」の途中ですが、最終段階の「セレニティ」が完了すると、ETHの価格は上昇すると期待されています。

(3)2015年7月:イーサリアムがリリース

2015年7月にイーサリアムがリリースされました。ETHの価格は2014年夏のクラウドセール時には約26円でしたが、正式にリリースされた直後には約120円に上がっています。

ビットコインの初期の値段が1円に満たなかったことを考えると初期価格としては高額でした。しかし、2014〜15年にかけては目立った価値の変動は起こる事はなく、プラスの要因となるイベントも皆無となっています。

(4)2016年:THE DAO事件とハードフォーク

2016年3月に過去最高値の1696円の価値を付けていたETHですが、同年6月に「THE DAO事件」と呼ばれるハッキング事件が発生し、その際のイーサリアムの対応が賛否両論を呼ぶことになります。

「THE DAO事件」とは、ドイツでイーサリアムのプラットフォームを使って実施された「自立分散型投資ファンド(DAO)」というサービスがその脆弱性につけ込まれてハッキングされ、360万ETH(当時の価格で約52億円相当)が不正流出したという事件です。

イーサリアムの事件への対応策は、ハードフォークの実施によってハッキングされたデータをブロックチェーンから消去し、事件が起きる前の状態に戻すというものでした。ハードフォークとは、仮想通貨にこれまで使われていた仕様と互換性のない新たな仕様を適用することです。イーサリアム開発陣の内部では、考案者のブテリン氏らこの策を支持する側と反対する側の意見対立が起こりました。結局、ハードフォークは実施され、イーサリアムは、新仕様のイーサリアムと、旧仕様を継承する「イーサリアム・クラシック(ETC)」の2つに分裂しました。

(5)2017年下半期:イーサリアムの価格が急上昇

2017年2月までは1000円以下を推移していたイーサリアムですが、2017年5月以降、大きく価格を上昇させました。要因としては2017年2月にイーサリアムの技術を支持するイーサリアム同盟が発足したことに加え、世界中で仮想通貨を使った事業資金調達(ICO)が行われるようになり、ICOで販売されるトークンの購入にイーサリアムを使用する案件が多かったことから、イーサリアムに対する信頼性が高まったことが挙げられます。

他にも2017年6月にイーサリアムの考案者ブテリン氏とプーチン・ロシア大統領が会談を行ったという情報が流れたことや、同年10月にイーサリアムの3段階目のバージョンアップ「メトロポリス」が行われたことも価値の上昇の要因となりました。

一連の流れを受けてイーサリアムの年末の価格は8万円を突破し、2017年だけで数十倍の価値上昇が起こっています。

(6)2018年1月:1イーサリアム 10万円を突破

2018年年初から中旬にかけて仮想通貨市場が盛り上がりを見せ、多くの仮想通貨で価値が上昇しました。その際には、過去最高値を更新した仮想通貨がいくつもあり、イーサリアムも過去最高の価格を記録しています。しかし、世界各国での仮想通貨規制の動きが活発化したため、その後は下落傾向にあります。

(7)2018年3月:ブテリン氏が来日、POS実装の見通し示す

2018年3月、イーサリアム考案者のブテリン氏が来日し、東京大学で行った講演で、イーサリアムの取引承認アルゴリズムを「プルーフ・オブ・ワーク(POW)」から「プルーフ・オブ・ステーク(POS)」に移行させるプロジェクト「キャスパー(Casper)」が実現可能に近づいたことを明らかにしました。

イーサリアムは現時点では取引承認アルゴリズムにPOWを使っています。POWは、取引をブロックチェーンに書き込むには膨大な計算をこなさなければならず、最も早くこの計算を成功させた人にだけ報酬が与えられる仕組みです。こうした仕組みによって取引履歴を改ざんしにくくするのが目的で、この計算のことをマイニングと呼んでいます。

しかし、POWには難点もあります。マイニングには高性能のコンピューターが必要で、莫大な電力を消費します。世界中で多数のコンピューターがマイニングを行っているため、環境への負荷も大きくなってしまいます。また、悪意のある個人やグループがマイニング処理能力全体の過半数を支配した場合、取引の改ざんが可能になってしまう、「51%問題」と呼ばれる弱点もあります。

POSではこうした課題を解決するため、仮想通貨をより多く保有している人ほどマイニングが成功しやすくなる仕組みを導入しています。これにより、POWに比べてマイニングに要するコンピューターの稼働時間が少なくなり、取引承認が速くなる上、省エネにもなります。また、仮想通貨をたくさん持っている人ほどその通貨価値が下がるのを望まないため、取引履歴を改ざんしようとは考えなくなり、「51%問題」も起こりにくくなるというわけです。

イーサリアムは最終段階のバージョンアップ「セレニティ」でPOSを完全実装する予定でしたが、その実現がいよいよ近づいたことになります。

(8)2018年6月:米SEC幹部、イーサリアムは証券ではないと発表

米証券取引委員会(SEC)コーポレート・ファイナンス部のウィリアム・ヒンマン部長は2018年6月14日、米サンフランシスコで講演し、イーサリアムは有価証券には該当しないとの見解を初めて示しました。その理由として、「投資家に将来の利益や権利を約束して販売されるのが有価証券で、その価値は発行者の働きに依存している」とした上で、イーサリアムについては「非中央集権構造のネットワークであり、特定の個人や団体がその価値を左右することはない」と説明しています。

かねてからSECは仮想通貨を有価証券扱いとして現行の証券法の枠組みの中で規制する方針を示していましたが、ビットコインは例外としてきました。それに加えてイーサリアムも証券法の規制対象から外れる見通しとなったことは市場で好材料と受け止められ、ETHの価格は一時上昇しました。

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