今回は投資対象という側面ではなく、ブロックチェーンとそれに伴う新しい技術の応用例としてDAppsをご紹介します。DAppsは「分散型アプリケーション」と呼ばれ、ブロックチェーン技術を背景とした新しいサービスを生み出す可能性がある将来有望技術です。実はビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨もDAppsと言えますが、それだけでなく、他分野でもDAppsが活用されています。
ここでは、DAppsの多様な活用事例についてご説明してまいります。

DAppsはどんなもの?

これについてはきちんとした定義が存在しますが、わかりやすくまとめると、

1 分散的に管理される(非中央集権的)
2 オープンソースである(プログラムが公開されている)
3 ブロックチェーン技術、トークンを利用している

などになります。もともとブロックチェーンというのはこうした非中央集権型のサービスを展開するのに必要となる安全性や信頼性を技術で保証するという目的で開発されています。こうした仕組みを持ち、最初にリリースされたのがビットコインであった訳です。同じ構造を持つサービスであればすべてDAppsということになります。

すでにリリースされているゲームへの応用

DAppsの応用としてすでにいくつかのオンラインゲームがリリースされています。ここではBitPetについてご紹介しましょう。

キャラクターを育てて販売 BitPet

出典:Twitter

サービススタート時に5万人を超える参加者があったということで話題になりました。いわゆる「育てゲー」というカテゴリーに該当するのでしょうか。デジタルペット(うさぎ)を購入し、交配させて新しいペットを作りそれをオークションなどで販売するというのが一連の流れです。

ビットペットの特徴

最初に購入するペットはゲーム内の通貨であるPOPトークンを利用します。イーサリアムを入金すると1:1でPOPトークンに変換されますので、ショップで気に入ったペットを購入すれば完了です。通常のゲームとイメージはそれほど変わりませんがいくつか特徴があります。

  1. ブロックチェーン上に記録されるので永遠にペットが保有できる
  2. 売買で得た収入は現金化することができる

この2点が通常のゲームとは異なるところですね。CryptoKitties(クリプトキティ)というネコを育てるゲームでは1,000万円で売買が成立した例もあるとのことです。

ビットペットではペットを競争させて勝利すると報酬が受け取れるなどのサービスも始まったようですので、「ゲームで稼ぐ」こともできそうです。他にもポケモンに似たイメージのイーサエモンなど、いくつかのゲームがすでにリリースされています。

分散型仮想通貨取引所(DEX)

出典:Twitter

仮想通貨取引所そのものをDAppsで実現できます。現在、ほとんどの取引所は企業が運営しているもので、管理者が存在しています。DEXではこのような管理者が存在せず、ブロックチェーンの技術を用いて個人間の取引を実現するプラットフォームのことを指します。

未来の取引所と呼ばれるDEX

通常、私たちが仮想通貨取引所を利用するときには個人の資産を預けることになりますが、管理者のセキュリティが弱いとハッキングなどに狙われて資産が流出する危険があります。

DEXの場合はそもそも管理者が存在しないので、こうした心配とは無縁になります。もともと、「取引の信頼性を担保する」はずのブロックチェーン技術であるはずなのに、取引所の問題で資産に危険が及ぶというのは本末転倒ですから、DEXこそ仮想通貨の取引にふさわしいシステムなのかもしれません。

ただ、現在のところまだ馴染みが少なく、取引量が少ないことや、サポートがないため、ある程度取引に慣れた人でないと使いにくいというデメリットもあります。今後、使いやすいシステムが普及してくるようになると、いよいよ本格的な仮想通貨時代の到来となるのでしょうか。

サービスを提供しているDEXの例

現在利用することができるDEXにはイーサリアムをベースにしたEtherDelta(イーサデルタ)、ビットコインをベースにしたCounterparty(カウンターパーティー)などがあります。Waves Lite Client(ウェーブスライトクライアント)はユーロとドルにも対応していますので、今後利用者が増えるだろうと言われています。

DAppsの応用範囲は広大

今回の記事ではゲームとDEXでの利用例についてご紹介しましたが、ブロックチェーン技術を背景としたDAppsについては非常に幅広い応用が提案されています。予測市場での利用を目指したAugerプロジェクト(通貨単位はREP)は時価総額が3億ドル近い有名通貨です(2018年4月現在)。将来的には確率的に発生する事象に対する契約(ギャンブルや保険)のプラットフォームとして利用されることが期待されています。

このようにDAppsを背景としたさまざまなサービスを使う未来はもうすぐそこまで来ています。