仮想通貨の根幹をなすブロックチェーンテクノロジーを新領域で活用する取り組みが活発化しています。担い手の多くはスタートアップ企業で、大企業のビジネスモデルをひっくり返す可能性もあるとして大注目されています。最近は国内でも関連イベントが相次いで開催されていますが、ここでは「仮想通貨の次」を探る動きについて徹底解説します。

投機から実需のステージへと移行

2017年末から2018年初旬にかけての仮想通貨狂騒曲ともいえるトンドモ大相場で、世界中から約90兆円を超える余剰資金を集めることになった仮想通貨相場は、大暴落とともに売り物の残骸で当分は立ち直れそうにない状況です。

この動きを見て、所詮、仮想通貨とはまやかしで実需はなく、もはや終焉したのも同然と考える人もいますが、過去の半導体やインターネット相場と同じく、革新的な技術には必ず付きまとう初期的な必要コストと考える人も多くいます。

つまり、人気化した仮想通貨は投機目的の時代から、実需の時代へと移行するのであり、ここから本当の仮想通貨の実力が世に知らしめられることになるというのです。

個人データを独占するプラットフォーマーの功罪

米フェイスブックの個人情報流出問題では、個人情報を独占する「プラットフォーマー」の功罪が浮き彫りとなり、最近では、プラットフォーマーの収益の柱である広告を表示させることを拒む消費者も多くなっています。

消費者としては、必要としている情報であれば何ら問題もないわけですが、表示される多くの情報は消費者のニーズに応えるというよりも、プラットフォーマーの収益源として表示されていると感じる消費者が急増しているのです。

2018年3月に東京ビックサイトで開催された国際イベント「スラッシュトウキョウ」で、ブロックチェーン技術を活用した決済システムを開発する米リップルのステファン・トーマスCTOは、インターネットのビジネスモデルはすでに崩壊していると説いています。

あまりにも多く表示される必要のない広告や、別のサイトに誘導しようとする手法に、消費者の多くは困惑を通り越して、広告を表示させないサイトや中抜きアプリを好むようになっています。

インターネットのビジネスモデルを崩壊させるブロックチェーン

個人データをインターネットビジネスの巨人であるプラットフォーマーが独占しているという問題は、誰からも管理されず中央集権が存在しないブロックチェーンテクノロジーが簡単に問題解決してしまいます。

ブロックチェーンを利用すれば、利用者はサイト運営者にプラットフォーマーを介さずに直接「投げ銭」のような形で仮想通貨を送金できます。

米リップルのトーマス氏の言葉を借りると、「従来のネットによる利益の生み方が大きく変わる」ということになります。

ネットサービスの巨人は、これまで仲卸や実店舗などの仲介業者を排除することで巨大な収益を上げてきましたが、ブロックチェーンが実現するP2P型社会では、仲介業者を排除してきたネットサービスの巨人でさえ必要とされなくなってしまうのです。

楽天やメルカリはどうなるの?

日本国内で代表的なネットサービスの巨人としては、楽天やメルカリがありますが、ブロックチェーンテクノロジーの発展でこれらの企業はどのような影響を受けるのでしょうか。

Amazonや楽天などのECサイトは、これまで企業と消費者を結び付けることで仲介手数料を取るというビジネスモデルでしたが、ブロックチェーンはこのビジネスモデルを崩壊させてしまう可能性を秘めています。

また、フリマアプリによる個人間取引で急成長したメルカリについては、新たな商機にもなりえますが、中抜き企業として排除されるリスクにもなりえます。

もちろん、ブロックチェーンですべてがうまく問題解決されるわけではなく、期待される有力プラットフォームのイーサリアムにしても、拡張性の問題など様々な課題を解決していく必要があります。

進む仮想通貨のグローバル展開

日本でブロックチェーンといえば、仮想通貨の基礎技術という印象が色濃いですが、海外ではエネルギーや物流での応用が進んでいます。

日本国内でも、スタートアップのクーガーとKDDIによるAIとデータ管理の連携にブロックチェーンテクノロジーが活用されたりといった動きは出てきています。

また、ブロックチェーン推進協会(BCCC)では、国境を越えたグローバル展開や仮想通貨取引業者や銀行以外の、総合商社、法律事務所、製造業など業界の垣根を越えた動きを見せています。

まとめ

海外で、そして日本でもグローバル展開が進む中、今後の課題は世の中がどこまで仮想通貨を受け入れるのか、また、正しい情報がやり取りされるのかということでしょう。

インターネット黎明期にも同じような課題がありましたが、ネットサービスの巨人にとって代わるには、ブロックチェーンがどこまでこれらの課題を解決できるかにかかっています。

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