5月18日付けの官報にコインチェックによる「仮想通貨交換業の一部廃止の公告」が掲載されました。
廃止が決まったのは匿名性仮想通貨といわれる「Monero」「Zcash」「Dash」「Augur」の4種類です。

コインチェックが、モネロ、ジーキャッシュ含む4種の取り扱い廃止

コインチェックが、6月18日をもって取り扱い廃止を公告したのは、匿名性が高いといわれる仮想通貨「Monero(モネロ)」、「Zcash(ジーキャッシュ)」「Dash(ダッシュ)」「Augur(オーガー)」です。

仮想通貨交換業の一部廃止の公告

当社は、平成三十年六月十八日をもって、仮想通貨交換業において取り扱っている「Monero」、「Zcash」「Dash」及び「Augur」(以下「対象通貨」と言います。)の取り扱いを廃止することにいたしました。
平成三十年六月十八日時点で当社が管理するお客様の対象通貨につきましては、平成三十年六月十八日以降に、当社が適当と判断する時期及び方法により、日本円に換金して、当社に開設されているお客様の預かり口座にて管理します。
以上、資金決済に関する法律第六十三条の二十第三項の規定により公告いたします。
平成三十年五月十八日

東京都渋谷区渋谷三−二八−一三渋谷新南口ビル三階
コインチェック株式会社
代表取締役 勝屋 敏彦
(平成30年5月18日付「官報」 第7265号より)

かねてからコインチェックは、取り扱いをやめる方針を示していましたが、ここにきて現実となったわけです。

匿名性仮想通貨(匿名性コイン)の特徴

匿名性仮想通貨(匿名性コイン)は送り手も受け手も匿名で取引ができる仮想通貨で、誰が誰にいくら送金したのかがわからないようになっています。

では、他の仮想通貨は匿名ではないのか? ビットコインも個人情報の登録なしに取引が可能ですが、ビットコインの場合は、送金元のアドレスと送金先のアドレスを誰でも見ることが可能。アドレスを調べれば過去にどんな取引をしてきたのかが追跡できてしまいます。アドレス所有者の特定が難しいとはいえ、プライバシーの観点から考えると万全ではないのです。

そこで登場したのが匿名性コインです。匿名性コインであれば取引記録が追えないようになっており、他人にどんな取引をしたのか知られる心配がありません。

最近、企業からの個人情報流出が度々ニュースになっています。匿名性コインであれば、流出したとしても取引を追跡されたり特定される心配がないというわけです。しかし、メリットだけかといえば、そうも行きません。匿名性が高いゆえに、マネーロンダリングに使われることなどが懸念されているのです。

今回コインチェックの取り扱い廃止が決まったMonero、Dash、Zcash、Augurそれぞれ匿名性の仕組みが違いますので、順番に確認していきましょう。

Monero(モネロ)とは

Moneroはリング署名と呼ばれる技術を使って匿名化しています。

多くの仮想通貨では送金処理のときに、秘密鍵と公開鍵を使って署名を行います。Moneroでは複数人で署名を行うことで、送金した人が誰か特定できないようにしています。

もし追跡してわかったとしても、それは送金した人のグループまで。個人の特定はできません。

またワンタイムアドレスという技術を組み合わせて、匿名性を高めています。Moneroには閲覧用アドレスと送金用アドレス、2種類の秘密鍵があります。

閲覧用と送金用でアドレスが分離しているので、送金用アドレスがわかっても取引履歴を追えません。匿名性だけではなく、セキュリティも高いのが特徴ですね。

Moneroについて詳しくは下記記事もご覧ください。

モネロ(Monero)とは?仮想通貨として特徴、将来性、購入できる取引所は?

Dash(ダッシュ)とは

Dashはプライベートセンドと呼ばれる技術を使って、誰が送金したのかを特定できないようにしています。

簡単に言うと、複数の送金を一旦プールしてまとめた後にシャッフルし、それぞれに送金します。

記録として残るのはプールから送金された情報飲みですので、誰が送金したのかを特定するのは困難です。ちなみに承認スピードは4秒と非常に早く、実用的な仮想通貨と言えます。

Dashについて詳しくは下記記事もご覧ください。

仮想通貨ダッシュ(Dash)とは?匿名性などの特徴、将来性、取引所まとめ

Zcash(ジーキャッシュ)とは

Zcashはzk-SNARKプロトコルと呼ばれる、ゼロ知識証明と言う数学の理論を元にした技術を使って匿名化しています。

取引を公開していなくても、取引が正しいことを証明できる不思議な仕組みです。

送金履歴や金額、送金した人、受け取った人などあらゆる情報が匿名になります。もっとも匿名化が高いシステムと言えます。

取引の情報を見るには秘密鍵が必要です。したがって秘密鍵を持っている人以外には完全非公開で取引ができるのです。

ちなみにZcashの匿名送金はオプションですので、通常の匿名にしない送金も可能です。

Zcashについて詳しくは下記記事もご覧ください。

ジーキャッシュ(Zcash)の将来性は?コインの特徴や購入できる取引所まとめ

Augur(オーガー)とは

Augurは、イーサリアムのスマートコントラクトを利用した「分散型未来予想市場」を提供するプラットフォームです。

胴元のいない未来予測市場を作り出すもので、誰もが自由に対象となるイベントの未来予想の場をインターネット上に作ることができ、参加も誰でもOK。予想が当たれば賭けに対する配当がもらえ、イベントの結果を正しく報告した人にも報酬が支払われるという仕組みです。

メーカーと呼ばれる個人が予想内容を作り、レポーターと呼ばれる不特定多数の人たちが結果を報告し、配当金分配が公正に行われます。

Augurについて詳しくは下記記事もご覧ください。

Augur(オーガー)とは?仮想通貨版ブックメーカーと称されるオーガーの将来性は?

匿名性コインの将来性

マネーロンダリングや脱税などの悪用が懸念される匿名性コインに将来性はあるのでしょうか?
そもそも匿名性コインを取り扱っていたことを理由に、コインチェックに金融庁の認可が降りなかったという話もあり、コインチェックでの取り扱い廃止が決まった今、今後も日本で匿名性コインが取り扱われることは考えにくいでしょう。

もちろん海外でもマネーロンダリングや脱税は許されません。つまり規制や法整備が進むにつれて、立場が悪くなるのは避けられないと思った方がよいかもしれません。ただ、ダークマーケットで需要があるのも事実。どんな物を購入したのかバレたくないので、匿名性コインが利用されるわけです。国が発行しているわけではありませんし、需要があるからマイニングが行われます。立場が悪くなったとしても全くの無価値になることはないでしょう。

ダークマーケットは情勢が不安定なときに流動性が高まりますので、その動きに合わせて匿名性コインの価格も高くなります。しかし不安定な状態は長期的には続きませんので、匿名性コインは長期保有に向かないと思ったほうが良いでしょう。匿名性コインは他の仮想通貨以上に規制による影響が大きく、また情勢によっても価格が変動します。匿名性コインを保有するのであれば、普段から世界中のニュースをチェックするようにしたいですね。