株式投資型クラウドファンディングサービスを手掛ける株式会社日本クラウドキャピタルは、金融関連4社と共同で、ブロックチェーンを活用して実務面の課題と解決策を共有する「ブロックチェーン技術実務適応委員会(BBA)」を発足させました。透明性や信頼性の高さを保証できるブロックチェーン(分散型台帳技術)を、金融関連分野へどう活用していくのか応用研究が求められていることから、発足に至りました。

ブロックチェーン技術実務適応委員会(BBA)とは

ブロックチェーン技術実務適応委員会(Blockchain Business Association in the Financial Field)とは、日本クラウドキャピタルを含む金融関連企業5社・金融関連分野に携わる有識者・法律家からなる研究会です。投資家向けIR支援の株式会社アイ・アール・ジャパン、監査法人のKPMGジャパン、西武信用金庫、みらい証券の4社が参加しています。

ブロックチェーン技術は、高い透明性や信頼性をインターネット上で確保できることから様々な領域での応用が期待されています。そうした背景があることから、実際に金融関連にブロックチェーン技術をどのように適応させることができるのかについて、金融関連分野に携わる有識者から「ユースケースを中心に議論」して今後の「応用範囲を研究」することができる場として発足しました。

ブロックチェーン技術実務適応委員会(BBA)の目標

短期目標

参加企業のビジネス実務分野におけるユースケースについて、ブロックチェーン技術の活用による課題の解消及び業務効率化の方法を研究し、実務分野への適用可能性を検証・参加企業の属する業界またはそのステークホルダーが抱える共通業務アクティビティにおける課題について、研究成果を啓蒙していくことで、その業界全体のビジネス発展及び地位向上に寄与することを目標としています。

中長期目標

金融関連分野を中心とするビジネス実務にブロックチェーン技術の導入を進め、社会全体における様々な非効率を解消していくことで、金融関連分野のビジネス実務、しいては我が国全体の発展、および我が国の国際社会における地位向上に寄与することを目標にしています。

参加企業の研究テーマ

株式会社日本クラウドキャピタル

テーマ:株主管理業務への適用
株主管理にブロックチェーンテクノロジーを活用することで、異動履歴の確認が容易になり、また異動履歴の改ざんも困難となるため、株主名簿情報の信頼性に繋げる。

テーマ:ブロックチェーンを活用した株主管理
投資家の発行体主催イベントへの参加率に応じたトークン付与など、インセンティブ設計の検討等。

テーマ:ブロックチェーンを活用した未上場株の設計

株式会社アイ・アール・ジャパン

テーマ:ブロックチェーンを利用したM&Aプラットフォームの構築
M&Aの取引をブロックチェーン上で管理し、企業間の契約書締結時におけるファイルの閲覧・編集といった作業履歴や合意締結に至る承認プロセスに自動化を目指します。

M&A締結には、膨大な資料の準備や書類が必要となり、ブロックチェーン上に管理することで簡素化を図ります。
【企業買収に特化した仮想通貨の海外事例(LEXIT(米) 2018~スタートアップ向けのM&Aプラットフォームにブロックチェーンを利用)】

KPMGジャパン

テーマ:ブロックチェーンや仮想通貨に対する監査技術
テーマ:スマートコントラクトを使ったCDSなどの金融取引の自動実行
KPMGジャパンとは、旧あずさ監査法人のことで、4大監査法人の1社となります。監査には膨大な資料・書類が必要となりますし、監査法人が担当するIPOの簡素化にとってもブロックチェーンの活用な重要な課題となっています。

さらに、ブロックチェーンや仮想通貨(暗号通貨)に対する監査技術やスマートコントラクトを使ったCDSなどの金融取引の自動実行を目指します。

西武信用金庫

テーマ:貿易融資への適用
輸出入に際しては、輸出業者・輸入業者、保険会社、通関や金融機関は信用状の発行など様々な企業・機関が絡んで取引成立しており、ここにブロックチェーンテクノロジー(分散型台帳技術)を利用することを目的とします。

みらい証券

テーマ:株主コミュニティにおける株式売買の軌跡の保存
中央集権である証券会社は、仮想通貨とは相反する存在のようにも思えますが、これに反して、仮想通貨のテクノロジーは証券会社の業務と非常に相性が良いことは以前から指摘されていました。

株式不発行のなか、株数、株価、売主、買主の記録が保持されることで、上場審査の際も主幹事証券への異動記録を明確に提出することを目的とします。

テーマ:KYC情報管理
ブロックチェーンによる非上場株や仮想通貨などの口座開設に伴う、KYC記録の共有により、顧客の利便性を高めるとともに業者間の共有性をも高め、反社会・反市場的勢力の排除に資するほか、非居住者情報も加味することでグローバル市場にも対応させるため。

まとめ

すべての仲介業務をなくす可能性がある仮想通貨ですが、その次世代のテクノロジーは銀行や証券会社、監査法人などの業務を簡素化するものとして大いに注目されています。

リップルがすでに銀行間で検証されていることからも、今後このような動きはより積極化していくことになるでしょう。

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