日本で初めてのブロックチェーンに特化したコワーキングスペース「Neutrino(ニュートリノ)」が、2018年6月、東京・渋谷にオープンしました。ブロックチェーン技術者同士の交流や共同作業、ビジネスマッチングの場として、日本でのブロックチェーン技術者不足の解消につながることが期待されています。

「Neutrino」初期参加するのは厳選された20メンバー

ブロックチェーンに特化したコワーキングスペース「Neutrino」は、ブロックチェーン関連のエンジニアや起業家、専門家、スポンサーなどの交流の場として、決済プラットフォーム「OmiseGO」を運営するOmise Japanと独立系ベンチャーキャピタルのグローバル・プレイが共同で設立しました。運営は「OmiseGO」のチームが行うことになっています。スポンサー企業には、電通、博報堂、三井不動産、みずほフィナンシャルグループ、リクルートコミュニケーションズ、ヤフー子会社のZコーポレーションなど各分野の有力企業が名を連ねており、このプロジェクトへの期待の高さがうかがえます。

オフィスにはプライベートデスク(固定席)10席、フリーアドレスデスク(自由席)34席、会議室2室のほか、50名収容のイベントスペースなどを備えています。固定席の利用料金は年額59万4000円です。

入居するメンバーは60社以上の応募の中から、「ブロックチェーンに詳しい専門家かどうか」「濃いエンジニアコミュニティーを作れるか」などの基準で審査され、現時点では16分野から法人、個人合わせて20のメンバーの入居が決まっています。

ブロックチェーンのSNSの分野ではALIS(アリス)、スマートコントラクトの分野ではDMM.com、仮想通貨ウォレットの分野ではGINCO(ギンコ)、スマートコントラクトIT監査の分野では米シリコンバレーのQuantstamp(クワントスタンプ)、不動産分野ではtsukuruba.inc(ツクルバ)、宅配ボックス分野ではサイブリッジなど。法務分野からも2人の弁護士が加わっています。メンバー申し込みは引き続き現在も受け付けています。

「Neutrino」のきっかけは、海外イベントでの日本の存在感の薄さ

Neutrinoでは今後、定期的に業界のリーダーを招いての業界トレンドや製品開発、戦略についての会合をはじめ、海外の先端企業やスタートアップ企業とのビジネスマッチング、インキュベーションプログラム、ハッカソン、開発者向けワークショップなどのイベントを定期的に開催してく予定です。こうしたイベントについてはメンバーを優先的に招待するものの、メンバー以外でも参加できます。

2018年6月22日に開かれたお披露目会で、Omise JapanのCEO 長谷川潤氏は、Neutrinoを設置した理由について、このところブロックチェーンが世界的に盛り上がっている状況にもかかわらず、海外のブロックチェーン関連イベントで日本人の講演や日本のプロジェクトの展示ブースをほとんど見かけない点に触れ、日本のブロックチェーン技術者の圧倒的な知識不足と世界とのつながりの薄さだによるものではないかと指摘しました。その上で、ノマドワーカーのように定まった場所を持たない人も含め、みんなが集まれるフィジカルな場所を提供しようと思い立ったと述べています。

また、グローバル・ブレイン社長の百合本安彦氏は、「2018年のブロックチェーン関連のICOによる資金調達額が、すでに900億円まできている」ことや「今年、2兆円くらいまで拡大するだろう」こと、「シリコンバレーのベンチャー・キャピタルが、仮想通貨のヘッジファンドにすでに投資をはじめている」ことなどを挙げて、日本でもコワーキングスペースとして、ブロックチェーン関連企業が集まる場を作る必要性について語りました。

「Neutrino」は、シンガポールでも募集開始

Neutrinoは今後海外にも積極的に展開していく方針です。まもなくシンガポールに「Neutrino Singapore @ The Great Room」がオープンし、東京のNeutrinoとともに現在入居メンバーの申し込みを受け付けています。

東京とシンガポールのNeutrinoは、ともに入居メンバー募集に際し、ブロックチェーンのプログラミング経験者のいる企業の入居を最優先としています。メンバー申し込みに対する審査結果は、東京の場合は1~2週間以内、シンガポールの場合は7営業日以内に通知されるとのことです。

このほか、1、2年以内に中国の北京、上海とタイのバンコクにもオープンする予定で、当面はこの5つの拠点の間でブロックチェーンエンジニアのコミュニティーを構築し、情報交流を促進していく計画です。

まとめ

Neutrinoは日本を中心に、中国、東南アジアともつながるブロックチェーン技術者同士のコミュニティーとして拡大していく予定です。

これまでネットに頼らざるを得なかったブロックチェーン関連の最新情報について、業界のリーダー層も交えて直接やりとりできる場として、これまで欧米に比べ立ち後れていた日本での技術者育成に大きな役割を果たしていくものと期待されます。

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