ブロックチェーン技術をビジネスのさまざまな分野に応用する動きが広がりつつありますが、次世代アフィリエイト広告プラットフォーム「EARNET」もそのひとつです。
ブロックチェーンと人工知能を使って、これまでのアフィリエイト広告が抱えていた、広告成果判定の不透明さや報酬不払いなどのさまざまな問題点を解決するとともに、中間事業者を介さず広告主とサイト主を直接結びつけるというもので、アフィリエイト広告を生活の糧としている個人ブロガーなどにとっても朗報と言えそうです。

ブロックチェーン技術で広告主とサイト主を直接つなぐ

香港を拠点にアフィリエイト広告の運用支援などを行っているAiBC Limited(堀口義弘代表)は、2018年7月4、5日に東京・汐留で開催されたアジア最大級のブロックチェーン業界向けイベント「TokenSky」で、ブロックチェーンや人工知能(AI)の技術を使って従来のアフィリエイト広告の問題点を解決した次世代インターネット広告プラットフォーム「EARNET」を発表しました。

EARNETは、アフィリエイト広告の広告主とブロガーなどのサイト主をブロックチェーン技術を使って直接つなぎ、広告効果についての公正な判定や、中間マージンの削減、迅速な報酬支払いなどを可能にしたシステムです。非中央集権的な広告マーケティングを実現します。

アフィリエイト広告の問題点とブロックチェーンでの解決方法

アフィリエイト広告とは、インターネットのサイト上に掲載される成功報酬型広告のことです。

自分のサイトにアフィリエイト広告を掲載している個人ブロガーなどのサイト主を「アフィリエイター」、広告主とサイト主の間を仲介する業者を「アフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)」と呼んでいます。広告主はASPに、掲載してほしいアフィリエイト広告を出稿。その中から、あらかじめASPに登録しているブロガーなどが広告を選んで自分のサイトに掲載します。

通常のネット広告ではサイトに掲載されれば広告費が発生しますが、アフィリエイト広告の場合には、ただ掲載されただけでは広告費は発生しません。サイトを閲覧した人が、そのサイト上に貼り付けられた広告をクリックして商品購入サイトや会員登録サイトなどに移動した上で、商品を購入したり会員登録をしたりすることで、広告の成果が得られたと判定されます。この段階になって初めて成功報酬としての広告費が発生します。

従来のアフィリエイト広告の問題点

  • 仕組みの不透明さ:属人的、かつ手動による作業により、広告の成果が不透明
  • 中間手数料の高さ:従来の広告マーケットからの慣習として残る中間手数料の存在
  • 報酬支払いサイクルの遅さ:支払いサイクルの遅さや、報酬を受け取るために必要な最低金額設定による支払い遅延

 

アフィリエイト広告はネット時代に適応した費用対効果の高い広告方法として広まってきました。しかし、従来のアフィリエイト広告にはいろいろ問題点がありました。

まず、広告の成果があったかどうか判定する作業は広告主の手にゆだねられています。属人的でかつ手動の作業であるために、広告の成果が正しく評価、記録されるかどうか不透明な面がありました。

時には、商品やサービスが成約したにもかかわらず、広告主がそれを成功報酬としてカウントしなかったりするなどの不正も発生しており、サイト主の間には判定の不透明さに対する不満もありました。

また、昔から広告市場に残っている慣習として、広告主とサイト主の間を仲介するASPに対しては、高い中間手数料が支払われていました。

さらに、アフィリエイト広告の成果報酬は1件あたりではごく少額のため、送金コストの関係で、報酬額が一定の金額に貯まってから報酬が支払われることになっており、支払いサイクルの遅さや支払いの遅れが指摘されていました。時には、成功報酬としてカウントされたのに、広告主が報酬を支払わない例もあり、問題とされていました。

ブロックチェーンを使ったアフィリエイト広告問題点の解決

  • 高い透明性:広告の成果を改ざんの出来ないブロックチェーン上に記録
  • 中間手数料の安さ:スマートコントラクトによるコスト削減
  • 報酬支払サイクルの早さ:トークン支払いによる即時報酬支払い

 

こうした従来のアフィリエイト広告が抱える問題点について、「EARNET」ではブロックチェーンとAIの技術を使って解決しています。

まず、アフィリエイト広告に対する反応や、成果が得られた日時、成果の種類、成果承認の可否とその理由などはブロックチェーン上に記録されます。これにより改ざんのできない透明性の高いネットワークが構築されます。

従来は人の手で行っていた成果判定作業も、AIを使って自動的に行うようになっています。これにより、判定作業の公正さが保たれると同時に、広告成果の判定に通話内容の解析や端末の位置情報なども利用できるようになり、これまでになかった多面的な広告成果の分析ができるようになっています。

また、ブロックチェーンに実装されたスマートコントラクト技術により、広告主とサイト主が直接契約を結べるようになり、高額な中間マージンを支払う必要がなくなります。その結果、広告主にとってはその分のコスト削減、サイト主にとっては報酬の増額につながります。

さらに、報酬支払いには仮想通貨「EARNETトークン」を用いるため、送金コストが極めて安く、マイクロペイメント(ごく少額の決済)で即時の報酬支払いが可能となります。サイトを閲覧した人の行動がアフィリエイト広告の成果だと判定されると同時に、サイト主には自動的にEARNETトークンが支払われるため、広告主による不払いが行われにくくなっています。

こうしたシステムは、ブロックチェーンを公正な経済取引のために活用した先進的な事例といえ、早期の普及が望まれます。

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