世界の金融プロフェッショナルの最難関資格のひとつであるCFA(Chartered Financial Analyst、CFA協会認定証券アナリスト資格)の試験に、2019年以降、仮想通貨とブロックチェーンに関する問題が出題される可能性が出てきました。CFA資格を運営しているCFA協会(CFA Institute)の試験用カリキュラムにこれらのトピックが盛り込まれることが分かったからです。このニュースが報じられた直後、市場ではビットコインをはじめとする主要仮想通貨の価格が急反発しました。

金融業界が注目「仮想通貨は一過性のブームではない」

ブルームバーグの報道によると、CFA協会(本部・米バージニア州シャーロッツビル)は2018年8月に発表を予定している2019年の試験用学習カリキュラムに、仮想通貨とブロックチェーンに関するトピックを加える方針です。

CFAの試験はレベル1〜3の3段階に分かれており、仮想通貨とブロックチェーンのトピックは、このうちレベル1とレベル2のための受験用カリキュラムに盛り込まれる予定です。

仮想通貨やブロックチェーン技術はフィンテックの一環

「投資マネジメントにおけるフィンテック」と題した新たな読本が発行され、その中で、人工知能(AI)や機械学習、ビッグデータ、自動取引などの他のフィンテック科目とともに掲載される見通しです。フィンテックとは金融サービスへの情報通信技術の活用のことです。つまり、仮想通貨やブロックチェーン技術はフィンテックの一環として位置づけられていることになります。

CFA(CFA協会認定証券アナリスト資格)とは

CFA(Chartered Financial Analyst、CFA協会認定証券アナリスト資格)は、金融・証券投資に特化した国際的な専門資格です。2018年6月に行われた試験には、91カ国・地域の22万7031人が受験を申し込んでいます。特にアジア地域の受験者が多いのが特徴です。

日本の金融業界でもよく知られており、特に外資系の証券会社や資産運用会社では、採用に際してCFA資格取得者を優遇しているところもあります。

試験範囲は「倫理」「統計」「経済学」「財務分析」「株式投資」「債券」「デリバティブ(金融派生商品)」「オルタナティブ投資」「ポートフォリオ・マネジメント」の10科目に分かれています。

合格するためには、3段階のカリキュラムの各レベルごとに300時間ずつの勉強が必要とされています。国際資格のため、試験は英語で行われます。試験合格後、4年間の実務経験を経てCFA資格取得者となります。

仮想通貨への金融業界の関心の高まりが背景に

ビットコイン(BTC)をはじめとする主要仮想通貨は、2017年には爆発的に値を上げ、ブームを巻き起こしましたが、2018年に入ってからは一転して下落基調が続いていました。こうした状況の中で、なぜCFAのカリキュラムに仮想通貨やブロックチェーンに関するトピックが盛り込まれたのでしょうか。

仮想通貨をめぐっては、デリバティブで世界有数の取引量を誇る米国のシカゴ・オプション取引所が、2017年12月にビットコイン先物取引を開始した上、2018年7月にはビットコインのETF(上場投資信託)の上場を申請しています。

米大手金融・証券グループのゴールドマン・サックスも、2018年5月にビットコイン関連の取引業務に参入する方針を明らかにしているほか、ベンチャー企業向け証券取引所のナスダックも仮想通貨の取り扱いに前向きな姿勢を示しています。

このように、2018年初めに主要仮想通貨の相場が暴落して以降も、既存の金融界では仮想通貨関連の金融商品を発売したり、仮想通貨のスタートアップ企業と合流したりする動きが広がっています。また、仮想通貨やブロックチェーンの技術が、いずれはフィンテックの一環として既存の金融業界の中に取り込まれていくだろうとの見方も出ています。

CFA試験に出題の可能性ニュースで主要仮想通貨の相場は軒並み急反発

CFA協会のスティーブン・ホラン一般教育・カリキュラム担当マネージングディレクターは、仮想通貨やブロックチェーン技術について「一過性のブームではない」との見解を示した上、「われわれはこの分野が他の分野より早く発展し、また、それが永続的なものになるだろうとみている」と述べています。さらに、将来的には「仮想通貨と経済学の接点」といったようなトピックがさらにカリキュラムに追加される可能性があるとも話しています。

CFA協会が仮想通貨やブロックチェーン技術についてこうした見解を示し、試験用のカリキュラムにそれらに関するトピックを加えたのも、仮想通貨分野への金融・証券業界の関心がますます高まっている状況を見据えてのものと言えます。

CFA試験の出題範囲に仮想通貨関連のトピックが加わる可能性があると報道された後、主要仮想通貨の相場は軒並み急反発しました。これは、仮想通貨が金融の一分野として社会的に認知され、今後発展するとの期待が高まったことによるものでしょう。

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