最も影響力のある世界の若手実力者40人を毎年番付けする米経済誌「Fortune(フォーチュン)」の「40 under 40(40歳以下の40人)」に、2018年は仮想通貨業界から、コインベース創設者ブライアン・アームストロング氏ら20位になるなど5人がランクインしました。これまでも同番付にはイーサリアム考案者のビタリック・ブテリン氏が入っていましたが、仮想通貨業界から5人も番付に入るのは今年が初めてです。

コインベース創設者ブライアン・アームストロング氏が20位に

「40 under 40」は、Fortune誌の編集部がその年の最も影響力のある40歳以下の実力者やリーダーたちを選んで番付けしたものです。

かつては若手富豪のランキングだった時期もありましたが、2009年以降は、いかに社会に影響力を持っているかという観点から評価されるようになっています。経済界だけでなく、政界、スポーツ界、ファッション界などさまざまな分野から選ばれています。

Fortune誌「影響のある40歳以下40人」2018 仮想通貨業界から5人がランクイン

このほど発表された2018年の「40 under 40」の番付によると、仮想通貨業界からは、20位に大手仮想通貨取引所「コインベース」創設者、ブライアン・アームストロング氏(35)22位に仮想通貨プラットフォーム「イーサリアム」の考案者、ビタリック・ブテリン氏(24)24位に仮想通貨取引アプリ「ロビンフッド」共同創設者のブラッド・テネフ(31)、バイジュ・バット(31)両氏、25位に仮想通貨のコミュニティーとして知られるメッセンジャーアプリ「テレグラム」の最高経営責任者(CEO)パベル・デュロフ氏(33)がランク入りしています。

ちなみに、「40 under 40」の1位に輝いたのは、写真共有アプリ「インスタグラム」の共同創設者でCEOのケビン・シントロム氏(34)、2位は交流サイト「フェイスブック」最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏(34)でした。

「40 under 40」の近年の番付を見ると、仮想通貨関連ではイーサリアムのブテリン氏が2016年から登場しており、同年は31位、2017年は10位に上昇しているのが目を引く程度でした。今回、仮想通貨業界から5人も番付入りしたのは大躍進と言えそうです。

20位:アームストロング氏=コインベース創設者

20位のアームストロング氏は、2012年に「仮想通貨界のグーグル」を目指して仮想通貨取引所コインベースを創業。同社は米国最大手に成長し、現在では世界で1300万人以上のユーザーを抱えています。

コインベースは今も証券会社の買収を進めているほか、ニューヨーク州から金融ライセンスを取得するなどしてさらに拡大を続けています。2018年6月には日本を対象とした仮想通貨取引サービスをいったん停止しましたが、同年中には日本に現地法人を設立して仮想通貨交換業者として登録の上、日本向けサービスを再開する計画を公表しています。

22位:ブテリン氏=イーサリアム考案者

22位のブテリン氏は、ロシア生まれのカナダ人で、オープンソースのブロックチェーン・プラットフォーム「イーサリアム」を考案しました。

イーサリアムは現在、480億ドルの市場価値を持つまでに成長し、ビットコインに次ぐ仮想通貨ネットワークとなった上、2018年に入って米証券取引委員会(SEC)がイーサリアムの仮想通貨イーサを規制対象の有価証券とは見なさない方針を表明したことなどから、今後も成長が期待されています。フォーチュン誌は、グーグル社が最近、仮想通貨関連の新規事業のためにブテリン氏を引き抜こうとして断られたといううわさにも言及しています。

ブテリン氏は2016年の番付では31位、2017年は10位にランクインしており、ここ数年の番付の常連となっています。

24位:テネフ、バット両氏=ロビンフッド創設者

24位のテネフ、バット両氏は、2013年に米国で取引手数料無料のオンライン証券会社「ロビンフッド」を創業。同社は2018年2月にはビットコインをはじめとする16種類の仮想通貨取引も開始しました。

ロビンフッドのアプリは、スマートフォン上で仮想通貨や株式、金融商品などが手数料無料で取引できることから人気を集め、現在では若手投資家を中心に400万人が利用しています。

25位:デュロフ氏=テレグラム創設者

25位のデュロフ氏は、フェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグ氏になぞらえて「ロシアのザッカーバーグ」とも呼ばれる人物です。彼が2013年に創設した「テレグラム」は、月間のアクティブユーザー数が2億人以上に上る巨大メッセンジャーアプリで、仮想通貨に関する情報が世界中から集まってくる最大規模のコミュニティーとして知られています。

テレグラムは2017年には、世界初の仮想通貨経済圏の創設というプロジェクトを掲げて史上最大規模のイニシャル・コイン・オファリング(ICO=仮想通貨による事業資金調達)を実施し、17億ドルもの資金を集めたことでも注目を浴びました。2018年中にテレグラムウォレットをリリースし、2019年からは独自仮想通貨TONを基盤とした経済圏の構築に取りかかる計画です。

仮想通貨の影響力、急拡大ぶりを反映

Fortune誌の「40 under 40」に仮想通貨業界から一気に5人もランク入りしたことは、この1年で仮想通貨やブロックチェーンの社会に与える影響力がいかに強まったかを示すものと言えそうです。

一方で専門家の間では、このように社会での認知度が高まってきたことが、ビットコインをはじめとする各仮想通貨の価格の安定化につながるともに、仮想通貨が世界の金融システムの一部として組み込まれていく動きを加速させるだろうとの見方も出ています。

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