世界各国でビットコインによる決済サービスを展開している米ビットペイ社(BitPay)のチーフコマーシャルオフィサー(CCO)、ソニー・シン氏がこのほど、同社の2017年のビットコイン決済処理額が12億ドルに上ったことを明かし、今後はさらに決済への利用が世界的に広がり、数年のうちに代表的な決済手段の一つになるとの見通しを示しました。一方で米国での決済利用が伸び悩んでいる点について「米国人はクレジットカードに慣れすぎている」と述べ、ビットコイン決済の方が低コストで安全なことを米国人に教育する必要があるとしています。

ビットコイン暴落は決済サービスに影響なし

ビットペイ(BitPay)社は2011年創業し、事業者向けのビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)の決済処理サービスを世界各国で展開しています。

マイクロソフト社やワーナー・ブラザーズといった大企業も同社のサービスを利用しており、同社は2018年7月にはニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から、仮想通貨決済サービス業者として初のビットライセンスを取得しています。

BitPayのCCOのソニー・シン氏は、中国系の仮想通貨ニュースサイト「8BTC」のインタビューで、ビットコイン価格の年初来の下落傾向について、「人々が『うわあ、こんなに下がった。暴落だ』と言っているときでも、私たちの事業には関係ない」と述べ、価格下落が同社の事業には影響していないと強調同社の2017年のビットコイン決済処理額が12億ドルに上った点を挙げ、「重要なのは、ビットコインが実際に世界中で投機目的だけでなく決済に使われているということだ」と力説しています。

ソニー・シン氏はまた、わずか4年前にはビットペイ社が顧客を探して回らなくてはならなかったのに、今ではマイクロソフトをはじめとする多数の企業が集まってきており、これらの企業の中には月額100万〜1000万ドルのビットコイン決済を行っているところもあるとしています。

米国で仮想通貨の利点について教育を

米国では2018年6月に大手旅行サイト「エクスペディア」がビットコイン決済を取りやめるなど、このところ仮想通貨の決済への利用が伸び悩んでいます。こうした点についてシン氏は、米国で仮想通貨を決済手段として受容させるために、仮想通貨の利点に関する教育をもっと行う必要があるとしています

同氏は「米国では誰でもクレジットカードを使ったり、ネット上でクレジットカード番号を打ち込んだりしているが、(仮想通貨ウォレットの)QRコードを使う方が、より安全で簡単だ」と話し、「米国では商店もビットコインで決済することによりお金を節約できる。ビットコインの取引手数料は1%なのに対し、クレジットカードでは4%の手数料を取られるからだ」として、事業者側にとっても仮想通貨決済がクレジットカード決済に比べて有利な点を指摘。「まだ米国人はこの点を理解しておらず、それについて教育されなくてはならない。彼らにとって仮想通貨はより良く、より速く、よりプライバシー保護にも資するものだ」と述べています。

シン氏はまた、「米国ではたくさんの人々がビットコインを知ってはいるが、保有している人は多くない。技術系の人々や学生たちはビットコインを買うが、彼らはそれを使おうとしない。彼らは投機のためだけにビットコインを買っている」と述べて、典型的な米国の仮想通貨ユーザーがビットコインの有用性よりも投機に関心を持っていると指摘。「ビットコインを投資の手段として扱い、その価格のことしか関心がない人々に、実際にビットコインを使い始めてもらう必要がある」としています。

アジアはBitPay(ビットペイ)の重要市場

ソニー・シン氏は一方で、アジア地域はビットペイ社の決済サービスやビットコインがビジネスに広く使われている極めて重要な市場だとしています。

「もし中国または韓国に住んでいて、米国にたとえば100万ドルを送金しようとするとき、銀行のサービスを使うと決済処理に3〜5日間を要する上に、手数料が3〜4%かかる。これに対し、ビットコインを使えば、わずか1日間で処理ができ、手数料も1%しかかからない。世界中のほとんどの地域では、銀行の送金サービスを使うよりビットコインを使って送金した方が、安く、速くなる」と語っています。

その上でシン氏は、中国と米国の市場の間には大きな違いがあるとして、次のように述べています。

「中国市場はモバイル決済を使うことに慣れているが、米国市場はそうではない。また、中国市場は常に通貨問題を抱えているが、米国市場にはそれがない。米国では誰もがドルを信頼しており、自宅で他の通貨を隠し持っていたりはしない。中国では誰も人民元を信頼していない。人々はお金を他の通貨に替えて国外に持ち出している。こうしたことが、米国以外の世界がビットコインについて極めて大きな市場である理由だ」

シン氏はさらに、「米国では誰もアップルペイさえ使わない。彼らは使えないのだ。そして彼らはあまりにクレジットカードに慣れすぎている。米国では誰もモバイルウォレットを使わない」と語っています。

その上で、「ビットコインに関して重要なのは、世界中の誰もがビットコインが何であるかを知っているということだ。ビットコインは自然に、極めて速く、世界中にくまなく広がっている。アップルペイに毎年何百万ドルもの利用があるというのは疑わしいが、ビットコインなら、そうしたことは自然に起こるだろう」と述べ、今後数年のうちにビットコイン決済が主流の決済手段になるとの見通しを示しました。

さらに、「なぜなら世界中の人々がそれを必要としているからだ」とした上、「ビットコインについて価格と投機の部分にしか着目しないのは恥ずべきことだ」と付け加えています。

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