電子メールで仮想通貨ビットコイン(BTC)の決済ができる画期的なシステムを、米国の大手金融ソフトウエア開発会社Intuit(インテュイト)が考案し、このほど米特許商標庁(USPTO)から特許を取得しました。

テキストメッセージでビットコイン決済が可能に

Intuit(インテュイト)社は米カリフォルニア州に本拠を置く大手金融ソフトウエア開発会社で、これまでにも中小企業向けの仮想通貨決済サービスなどを発表してきました。今回特許が認められたシステムは「Bitcoin transaction using text message(テキストメッセージを使ったビットコイン取引)」と題され、電子メールによる携帯電話での仮想通貨のやりとりを可能にするものです。2014年にUSPTOに特許を出願していましたが、2018年8月7日にこれが認められました。

特許出願書などによると、このシステムは、支払者側がモバイル端末でビットコインの支払額を記載したテキストメッセージをメール送信すると、そのメールが本物であるかどうかや正しい受取人であるかをシステム側が自動的に確認した上で、ビットコインの決済処理を実行するというものです。

決済のテキストメッセージ真正確認に音声メッセージなどを活用

ビットコイン決済のテキストメッセージが真正なものかどうかを確認する手段としては、さまざまな方法が使われますが、出願申請書では二つの例が挙げられています。

一つは、決済処理の確認のために、各利用者に対してアカウントと関連づけられたパスワードの入力を求める方法。これは、既存のモバイルバンキングアプリへのログイン時などに使われているのと同様の方法です。

もう一つは、さらなる確認のために、決済サービスのシステムが決済電子メールのテキストから利用者のモバイル端末の情報を抽出し、ボイスメールシステムを使って利用者に対し自動的に電話をかけて音声メッセージを送る方法です。この自動電話は利用者側が応答しなくても自動的に切断されます。このような音声メッセージは、ビットコイン決済のテキストメッセージが、機械によりランダムに送られてくるスパムメールなどではないことを識別し、信頼できる決済テキストであることを確認するのに役立ちます。

このシステムではまた、もし受取人側が支払者の決済サービスプロバイダー(たとえばペイパル、スクエア、ハートランド・ペイメント・システムズなど)のアカウントを持っていない場合でも、受取人のバーチャルアカウントを構築することにより送金ができるようになっています。

バーチャルアカウントは受取人の支払明細に表示され、システムは受取人に対し、テキストメッセージを通じてその金額を通知します。

Intuitの仮想通貨決済サービスの展開

Intuitはこれまでも長いこと、ビットコイン決済処理方法の改善に取り組んできました。今回の特許を出願する直前の2014年に、中小企業向けに仮想通貨決済を可能にする「クイックブックス・ビットコイン・ペイメンツ(Quickbooks Bitcoin Payments)」のサービス提供を開始。その後も決済プラットフォームの開発を続けており、最近では決済プロバイダーVeem社と提携して、仮想通貨の国際決済を可能とするシステムを開発しています。

Intuitの「PayByCoin」サービスは、世界に展開しているビットコイン決済サービスプロバイダー、BitPay(ビットペイ)社との提携により、「クイックブックス・オンライン」(企業会計ソフトウエアのオンラインバージョン)を使っている中小企業がビットコイン決済を受け入れられるようにしたものです。

Intuitは今回認められた特許技術を使って、今後どのような事業を展開しようとしているのか。同社はまだ具体的な計画を明らかにしていませんが、さまざまな憶測を呼んでいます。

確定申告が簡単になる可能性も

この技術が、長い歴史を持つ同社の税務処理クラウドサービス「ターボタックス(Turbo Tax)」と統合されれば、ビットコイン取引も含めた確定申告が簡単にできるようになる可能性があります。

あるいは、Intuitは、これまでのようにBitPay(ビットペイ)などの決済サービス業者の力を借りるのではなく、自社開発した独自システムを使って仮想通貨決済サービスプロバイダーの分野に乗り出そうとしているのかもしれません

いずれにせよ、米国の企業会計・税務処理の分野で極めて大きな影響力を持つIntuit社が、手軽にビットコイン決済できる技術を開発したことは、米国内での仮想通貨決済の普及・促進につながりそうです。

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