オーストラリアの仮想通貨取引業者コインツリー(Cointree)と、決済プラットフォームのゴッビル(Gobbill)は業務提携して、同国で仮想通貨による決済を可能にするサービスを始めることになりました。仮想通貨に好意的なオーストラリアで、仮想通貨利用がさらに加速する要因となりそうです。

コインツリー社は仮想通貨決済の10倍増を予想

コインツリー社とゴッビル社が合意したシステムでは、事業者が仮想通貨を導入しているかどうかには関係なく、仮想通貨で決済できるようになります

コインツリー社はすでに仮想通貨決済サービスを行っていますが、決済専門業者であるゴッビル社との提携により、顧客に対するより幅広く強固なサービスを提供できるだろうとしています。

業務提携に関する声明で、ゴッビル社の協同設立者シェンドン・エワンズ(Shendon Ewans)氏は「私たちは昨年事業を始めたばかりであり、ユーザー数は少ないが、コインツリー社との提携およびマイプロスパリティー社との提携により、より一層の成長が期待できる」と述べた上で、「好むと好まざるとにかかわらず、これ(仮想通貨による決済)は私たちの日常生活の一部になる」と断言。「ゴッビル社はすでに人々にカードや銀行口座からの決済を提供しているが、今や、彼らは仮想通貨でも決済できるようになる」としています。

コインツリーは2017年だけで1億ドルの決済

コインツリー社の運営マネジャー、ジェス・レンドン(Jess Rendon)氏は「昨年だけで、私たち(コインツリー社)は約1億ドルの決済を行った」と明かした上で、今回のゴッビル社との業務提携により「10倍の成長を予想している」と述べています。

オーストラリアでは、有力な銀行は仮想通貨事業への参入には消極的なままですが、今回のコインツリー社とゴッビル社のような仮想通貨事業者と決済サービス事業者の提携という形で、仮想通貨決済の窓口が広がることになります

仮想通貨は2017年から通貨扱い、二重課税問題も解消

オーストラリアでは、今回のコインツリー社とゴッベル社のサービス以外にも、すでに仮想通貨を使った決済サービスのプラットフォームが存在しています。

2017年5月には、「サトシのリビングルーム(Living Room of Satoshi)」というスタートアップ企業が、オーストラリア国内でビットコインを使った決済ができるサービスを始めています。

電話料金や電気代、ガス代、授業料、水道代、クレジットカード料金など幅広い料金支払いに対応しており、同社はサービス開始直後の同年5月8日には「私たちは5億ドルを超える決済を処理した」とツイートしています。

オーストラリアは仮想通貨に対しては好意的な国と考えられています。同国は2017年1月にはビットコインなどの仮想通貨を決済手段として認めています。これは、2016年6月に資金決済法を改正した日本に続くものです。

ただ、「サトシのリビングルーム」が仮想通貨決済サービスを始めた時点では、仮想通貨決済には税法上の問題が残っていました。

ユーザーとなる企業は、仮想通貨を決済で受け取ったときと、それを法定通貨に交換したときで二重に課税されていたのです。しかし、オーストラリア政府は2017年9月、仮想通貨を購入した際には物品サービス税(GST)を課税しないように制度変更しており、これにより二重課税問題は解消されています。

フィリピンやEUにもある仮想通貨決済サービス

オーストラリア以外にも、同様の仮想通貨決済のプラットフォームやサービスがあります。

フィリピンの仮想通貨決済サービス

フィリピンでは、2014年初めに「サトシ城産業(Satoshi Citadel Industries)」という会社が「ビルズ・ニンジャ(Bills Ninja)」というビットコイン決済サービスを始めています。決済手数料は1決済あたり30フィリピンペソで、24時間以内に決済手続きが完了するとうたっています。

EUの仮想通貨決済サービス

欧州連合(EU)では、ビットビル(BitBill)社が、ドイツ、ベルギー、フランス、オランダなどのSEPA(単一ユーロ決済圏)加盟国を対象に仮想通貨決済サービスを行っています

SEPA加盟国の銀行同士の送金では、国内向け送金と同様の安い手数料で送金できるため、ビットビルでの仮想通貨による決済でも、SEPA加盟国間の取引であれば、0.99ユーロ+決済額の1%という安い手数料で済みます。

ビットビルが23種の仮想通貨に対応している理由

他の多くの仮想通貨決済サービスがビットコインにしか対応していないのと違って、ビットビル社のサービスは23種類の仮想通貨に対応しています。同社がこのように多様な仮想通貨の決済に対応しているのは、自社で仮想通貨取引処理を行わず、決済プロバイダーのライトペイド(Litepaid)社のプラットフォームを利用しているためです。

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