香港を本拠とする中国系の仮想通貨取引所OKExが、ユーザーに対して本人確認書類の提出を義務化すると発表しました。これまでは本人確認手続きなしでも口座を開設できていたのですが、2018年8月28日からは、本人確認書類を提出しない限り、口座から仮想通貨資産を一切引き出せなくなりました。

仮想通貨取引所「OKEx」身元確認レベルに応じ引き出し上限を設定

仮想通貨取引所OKExがKYC(本人確認手続き)の強化を発表したのは2018年8月23日で、新しい規制は5日後の8月28日14時(現地時間)から適用されました。

OKExでは、これまでは本人確認書類を提出しなくても口座を開設でき、その場合は1日に2BTCまでの引き出しが可能でした。しかし、8月28日からは、新規ユーザーの口座開設には最低限でもパスポートのコピーなどの本人確認書類を提出が必要となり、まだ本人確認手続きを済ませていない既存ユーザーは、同取引所から資産を引き出せなくなりました。

パスポートデータなどの提出だけでは最低ランクの「KYCレベル1」

さらにOKExは、ユーザーの本人確認レベルに応じた引き出し上限を設けました。パスポートのデータなどの提出だけでは最低ランクの「KYCレベル1」とされ、24時間以内の仮想通貨資産引き出しは2BTCまでに制限されます。「KYCレベル2」や「KYCレベル3」に昇格するには、居住地情報の開示や、居住証明書および身分証明書のコピーの提出が必要で、これらのレベルになれば、仮想通貨資産の引き出し上限は100BTCにまで引き上げられます。

  • KYCレベル1:パスポートデータなどの提出。24時間以内の仮想通貨引き出しは2BTCまで
  • KYCレベル2&レベル3:居住地情報の開示、居住証明書、身分証のコピー提出など。24時間以内の仮想通貨引き出しは100BTCまで

複数アカウントを禁止。KYC認証されなければ引き出しも不可に

OKExはまた、「1人のユーザーが保有できるアカウント(口座)は1つだけです」とした上で、「もしあなたが複数のアカウントを持っている場合は、新しい規制が発動される日時までにすべての資金を移転させてください」と呼びかけています。

このOKExの新しい措置は、同取引所の「オープン・パートナーシップ・プログラム」によって提携している他の仮想通貨取引所にも適用されます。

OKExはユーザーに対し、もし口座がKYC認証されなければ、仮想通貨をプラットフォームから引き出すことはできなくなると警告しています。ただし、この新たな措置が実施されるまでの間、OKExのユーザーはKYC認証なしで1日に100BTCまでの仮想通貨資産を引き出すことが認められました。

中国当局の規制強化に連動か

香港に本拠を置くOKExは、バイナンス(Binance)、フオビ(Huobi)と並び称される中国系の三大仮想通貨取引所の一つで、仮想通貨情報サイト「CoinMarketCap」の集計によると、1日あたりの取引量は世界第2位となっている世界的にも大手の取引所です。

OKEx取引量第2位

出典:CoinMarketCap

 

これまで本人確認なしで口座を作ることができていたOKExが、一転して本人確認書類の提出を義務化した背景には、最近の中国当局による規制強化が関連しているのではないかとみられています。

中国では2017年9月には国内でのICO(仮想通貨による事業資金調達)と仮想通貨取引所が全面禁止されています。さらに2018年8月23日の現地紙の報道によると、中国当局は、海外のIPアドレスで国内からアクセス可能な124の仮想通貨取引所を特定したとのことです。当局はこれらの海外取引所の利用状況について監視を強め、国内からのインターネットによるアクセスをブロックする方針とされています。既に中国本土では、OKExやバイナンスやのほか、香港の仮想通貨取引所のひとつ、ビットフィネックス(Bitfinex)へのアクセスができなくなっているもようです。

各企業も仮想通貨規制に協力

中国国内の各企業も、このような当局の規制強化に協力しているようです。

  • WeChat(テンセント)

テンセント社が運営する大手メッセンジャーアプリWeChatでは、仮想通貨取引やICOに関連していると見なされたいくつかのアカウントが凍結されました。

  • Alipay

大手決済プラットフォームAlipayでも、仮想通貨取引に関連する個人のアカウントを規制ないし永久に凍結する可能性があると報じられています。

中国当局による仮想通貨への規制が強まったのに伴い、香港を本拠としていたバイナンスは、2018年3月に地中海のマルタに移転しています。OKExもこれに続いて2018年4月、マルタに事業拠点を設立することを発表しています。

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