株式会社ケンタウロスワークスは、仮想通貨(イーサリアム)による二者間の支払いを簡易に実現させるWebアプリケーション「SCPay」を開発したと発表しました。すでに提携先の法律事務所で先行導入され、報酬の支払いを仮想通貨で決済するシステムとして利用を開始されているといいます。

仮想通貨を用いた決済システム「SCPay」の概要

株式会社ケンタウロスワークス(本社:東京都千代田区九段南1-6-17、代表取締役:河﨑健一郎、以下「ケンタウロスワークス」又は「同社」 https://centaurusworks.jp/)が、2018年9月10日に発表したプレスリリースによると、現在開発に取り組んでいるブロックチェーンアプリケーションの一部機能を独立させ、仮想通貨(イーサリアム)による二者間の支払いを簡易に実現させるWebアプリケーションとして先行開発されたものとのこと。

このシステムを利用しての実際の仮想通貨での決済は、従来の法定通貨での決済業務フローを変えることなく、現状の業務の流れを阻害せずにスムースに導入可能な仕組みとなっています。

すでに同社と提携している早稲田リーガルコモンズ法律事務所(http://legalcommons.jp/)が先行導入し、実際に取引先や顧問先から仮想通貨での報酬の支払いを、この決済システムを利用して受けています。

システム開発の背景

現実的な問題として、特別な仕組みを利用せずに仮想通貨での支払いを行おうとすると、特にビジネス分野においてはどのような問題があるのでしょうか?

一番の問題は、取引価格が決定され、実際に支払い処理が行われる日までには、タイムラグがあるということです。

一般的な企業間取引では、月末締めの翌月末支払いというケースが多く見られます。この場合の支払いサイトは、最短で30日、最長で60日となります。これが日本国内で日本円で決済されるのであれば、問題はありません。しかしながら、仮想通貨で実際に支払う場合には、その換算レートによって実際の仮想通貨での金額が変わる可能性が出てきます。特に、仮想通貨の価値が大きく変動したときには、売り手か買い手のどちらか一方は、必ず大きな損失を被ることになります。

現物をその場で購入する場合は、その場の判断で決済手段を法定通貨にするのか仮想通貨にするのかを選択するだけで損得の判断は簡単にできますが、商取引での決済となると、どうしても価格決定から決済までの支払いサイトが問題となり、仮想通貨での決済はなかなか使いづらいものでした。

本システムは、この問題を解決するための一定のルールを盛り込むことによって仮想通貨での決済をしやすくしたものと言えるでしょう。

本システムの特徴

通常の商標取引における法定通貨での決済までの流れは、「価格決定」 → 「商品サービスの提供」 → 「請求書の送付」 → 「支払い決済」となりますが、これを仮想通貨で従来どおりに進めようとすると、この工程の中に法定通貨と仮想通貨との換算レートの確定と実行日について決定する必要があります。

本システムでは、この追加しなければならない工程を次のように解決しています。事項は、同社プレスリリースよりの転載です。

製品の概要【同社プレスリリースより転載】

「SCPay」では、取引当事者間で専用のスマートコントラクトが用意され、支払う側が仮想通貨をコントラクトに預託し、請求する側は、法定通貨を単位として請求を登録します。支払う側が一定時間内に請求を拒否しなければ、請求を実行することができ、預託された仮想通貨が支払われます。
現在は、請求を受けてから、その請求を拒否できるまでの時間は24時間(変更可能)に設定されており、仮想通貨決済において問題になる価格変動の影響はほとんどなく、仮に、大きく変動した場合には、支払いを拒否することで対応できるようになっています。

SCPay導入例-仮想通貨での弁護士費用の支払い

【製品の特長】
1 取引用スマートコントラクトは、取引当事者のみしかアクセスできません(システム運用者であるケンタウロスワークスであっても、アクセスできません)
2 日本円を単位として請求額を指定できます
3 請求書を相手方に送付する感覚で、請求の登録が可能です
4 請求を受けた側は、請求内容に問題がある場合は請求を拒否できます
5 取引履歴(法定通貨との換算レートを含む)を出力可能です

仮想通貨での企業間取引の展望

今後の同社の計画では、毎月の定額自動請求、ETH以外のERC20トークンへの対応等の機能を実装した上で、2018年中に有料サービスとして「SCPay」を一般提供するとし、導入先企業に合わせたカスタマイズを行うと発表しています。

こうして仮想通貨が実際に流通する場が増えることによって、今後は我々の普段の生活の中でも自然と使われる機会が増え、様々な決済手段から、各個人がもっとも使いやすい方法を選択することができるようになることが、投資手段として見られがちな仮想通貨が、さらに身近なものへと変わっていくためにも、必要なことでしょう。こういった取り組みが、今後も増え続けることを大いに期待します。

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