富山県で、仮想通貨「Yell(エール)」を活用した地域経済活性化プロジェクト「Yell TOYAMA」プロジェクトが、2018年11月下旬からスタートします。ブロックチェーン上にYellで売買できる市場や地域応援コミュニティーを形成するのが特徴で、こうした取り組みは全国初となります。

ブロックチェーンで富山の魅力を価値化

「Yell TOYAMA」は、ブロックチェーンの活用により富山県の魅力を「価値」として国内外に流通させることを目的とした地方創生プロジェクトです。

富山県には雄大な立山連峰を望む自然環境や、富山湾の恵まれた海の幸、「富山の薬売り」で知られる製薬や鋳物などの伝統産業などがあり、同県は全国の都道府県別「幸福度」ランキングでは常に上位を占めています。

「Yell TOYAMA」プロジェクトでは、こうした今まで価値化されてこなかった地域の体験や出会い、文化や技術に親しむ権利などを、ブロックチェーン技術によって地域活性化に活用することを目指しています。仮想通貨Yellによって売買できるマーケットプレースやオークション、富山に愛着を持つ人々からの寄付や出資の受け皿となるクラウドファンディングなどをプラットフォーム上に構築し、これらを通じて地域事業者と富山を応援するファンによるコミュニティーを形成、持続的な地域創生と富山における消費・投資の最大化を図る計画です。

また、ブロックチェーン技術の導入により、地域事業者の市場やオークションへの出店費用を無料とし、売買の際の決済手数料を1%と極めて低水準に設定することで、地域事業者の参加を促進し、地域主導で地方経済を活性化することを目指しています。

運営事務局は富山市内に置かれ、出資者・発起人には、富山の地酒「満寿泉」の製造元である桝田酒造店や、しにせ魚商の釣屋魚問屋、製薬会社の前田薬品工業などの地元企業が名を連ねています。

今後のロードマップ

計画では、2018年11月下旬にウォレットおよび市場を開設。「Yell TOYAMA」ならではのチケット商品や優待商品の売買、地域事業者への寄付や募金、行政との連携を開始します。

2019年からは、県内イベントへの導入、着地型観光との連携、インバウンド需要に対応するための多言語化、海外でのPRなどの活動を積極的に行っていく予定です。

2020年には、世界中から「Yell TOYAMA」へアクセスできる環境をつくり、富山と世界が仮想通貨でつながる地域創生のTOYAMAモデルを国内外に展開していく計画です。

データ基盤としてブロックチェーン ⇔ 経済基盤としての地域資産 ⇔ 顧客基盤としての富山ファン

地域応援通貨Yell

地域応援通貨Yellは、SAMURAI Security(本社・東京都渋谷区、濱川智社長)が開発した、ブロックチェーン技術による地域通貨と分散型アプリケーションからなる地域創生プラットフォームです。同社では、2018年11月から富山県で展開される「Yell TOYAMA」プロジェクトへの提供を皮切りに、全国各地の地方自治体向けにトークンエコノミー・ソリューションを提供していく予定です。

Yellの仮想通貨は、円と等価の価値に設定されたステーブルコインですが、有効期限は6カ月間となっています。特定の地域で流通する法定通貨(円)の決済をキャッシュレス化するだけではなく、地域経済に不可欠な商圏外からの観光消費の獲得や、地域事業者の資金調達など、地方経済に新たなお金の流れを作るために開発されました。

有効期限設定で資金決済法の制約を回避

YellはERCトークンをベースにしたプライベート(非公開)ブロックチェーンで稼働します。有効期限が6カ月間に設定されているため、不正取引のリスクや資金決済法などの制約が少なく、都道府県や市町村が安心して導入できるメリットがあります。

単なる決済手段であるだけでなく、決済や送金の際に地域を応援するメッセージを送ることができる「YOSEGAKI」機能などの地域経済を応援する機能を備えており、こうした機能を活用することで、地域経済との一体感や地元の事業者との交流、地域経済に参加している実感を得られることも特長となっています。

地域支援のさまざまな分散型アプリを用意

Yellのシステムには、地域消費や観光客誘致、投資などを促進するため、ブロックチェーン上にさまざまな分散型アプリケーションが用意されています。

これらの分散型アプリには、地域市場のマーケットプレースや、チケット予約、PRページ、広告配信、地域を応援するためのクラウドファンディング、メッセージ送受信、データ活用・分析などがあり、オークション機能も2019年に実装される予定です。これらの機能を活用することで、距離や時間の壁を超えて世界と地域が「お金(地域通貨)」を通じてつながる「地方経済の構造改革」の基盤となることを目指しています。

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