仮想通貨取引所やウォレットに保管している仮想通貨資産をハッキングによる盗難や取引所破綻などの被害から守る「仮想通貨保険」がスイスの保険業者から発売されました。取引所で取り扱いのある全種類の仮想通貨に対応しており、誰でもネットから申し込むことができます。世界約30カ所の仮想通貨取引所の口座が対象で、その中には日本のコインチェックやZaifも含まれています。

「クリプト保険」とは

この世界で初めての仮想通貨保険「クリプト保険(Crypto Insurance)」は、仮想通貨取引所や仮想通貨ウォレットの口座に保管している仮想通貨資産を、ハッキングによる盗難や取引所破綻などの被害から守る保険商品です。スイスの保険ブローカー、アスピス社(Aspis SA)が運営するプラットフォームを通じ、セレクタ保険(Selecta Insurance)とリインシュランス社(Reinsurance Campany Limited)の両社が販売しています。

指定された約30カ所の仮想通貨取引所のユーザーであれば誰でも利用でき、公式サイト(https://www.cryptoins.io/)からオンラインで申し込めます。保険の対象となる事象が発生した場合も、このサイトからオンラインで保険適用を申請することができます。

保険金が支払われるのは、仮想通貨取引所がサイバー攻撃や盗難、詐欺、経営者や従業員の不正行為などで経営破綻したり運営を終了したりした場合です。被害に遭った金額は、15BTC相当額を上限として全額補償されます。アスピス社では、この上限額を将来的には引き上げる方針です。

取引所で扱う全種類の仮想通貨に対応

保護の対象となる仮想通貨の種類は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、テザー(USDT)、モネロ(XMR)、ビットコインキャッシュ(BCH)など、仮想通貨取引所で取り扱いのあるものであれば全種類に対応しています。

ハッキング事件のあったZaifも対象に

この保険をかけることができる仮想通貨取引所は、バイナンス(Binance)、ビットフィネックス(BitFinex)、ヒットBTC(HitBTC)、クラーケン(Kraken)、OKEx、コインベース(Coinbase)など世界の約30の主な取引所です。

日本の取引所では、2018年1月に580億円相当のハッキング被害を受けたコインチェックや、同9月に70億円相当のハッキング被害があったばかりのZaifに預けた資産も対象となっているのが目を引きます。

マイイーサウォレット(MyEtherWallet)などの仮想通貨ウォレットに保管した資産にも対応しています。

保険をかけられるのは15BTC相当額まで

保険をかけられる資産の限度額は、今のところ、ビットコインの場合は15BTCまで。被害に遭った仮想通貨がビットコイン以外のものである場合は、ビットコインに換算して15BTC相当額までとなります。複数の仮想通貨取引所に預けた資産の場合でも、合計15BTC相当額までは保険をかけることができます。

保険金は、被害に遭った仮想通貨がどの種類であっても、被害額をビットコインに換算し、ビットコインで支払われます。支払い決定は事故があったとの申請があってから30日以内になされ、支払い決定から5日以内に保険金が支払われます。

保険期間は90~365日の間で設定でき、更新することもできます。

保険料は100種類以上の仮想通貨で支払い可能

「クリプト保険」への加入は簡単で、公式サイト上で、保険をかける取引所またはウォレットの口座を選択して申し込むだけです。保険料の支払いも、オンラインで仮想通貨の決済代行会社コインペイメンツ(Coinpayments)を通じて行います。支払いはビットコイン、イーサリアムをはじめ100種類以上の仮想通貨で行うことができます。

保険料は、保険の対象となる仮想通貨の種類と金額や、仮想通貨取引所またはウォレットの信頼度に応じて算出されます。

「保険は仮想通貨の発展に必要なステップ」

こうした仮想通貨保険を発売した趣旨について、「クリプト保険」の創設者で最高経営責任者(CEO)のティモフィー・ボルコフ(Timofey Volkov)氏は「預けた資産に保険をかけることが可能になれば、初心者と熟練者のトレーダーや投資家たちのいずれからも信頼が得られ、彼らは仮想通貨取引所やウォレットに預けた自分たちの資産を盗難から守る機会を持つことにもなる」と強調、「それは仮想通貨業界への新たな顧客を引きつけることにもなるだろう」と述べています。

ボルコフCEOはさらに、「私たちは、この市場での保険商品の登場が、世界中の仮想通貨技術の発展と拡大の道筋において次に必要なステップであると確信している」と付け加え、仮想通貨コミュニティー全体に仮想通貨保険の必要性を伝えていきたいとしています。

特に日本では、2018年に入って1月のコインチェック事件、9月のZaif事件と、仮想通貨取引所の巨額ハッキング被害が相次いでいる中、このような仮想通貨保険への加入は一つの安心材料となりそうです。

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