GMOインターネットの仮想通貨マイニング事業の2018年第3四半期(7~9月)の営業損益が6億4000万円の赤字となり、赤字幅が前期比で大幅拡大したことが、同グループの決算発表で明らかになりました。また、同社が今後重点を置くとしていたマイニングマシン販売についても、同年11月に出荷予定だった新型ASICマシン「GMO miner B3」の部品調達のめどが立たず、出荷を延期せざるを得なくなったことが発表されました。

前四半期より赤字幅が大幅拡大

GMOインターネットは、2017年12月20日から、欧州の現地法人を通じて仮想通貨のマイニング事業を開始。寒冷な気候でマシン冷却用の電力を抑えられる北欧にマイニングセンターを設置し、既存マシンに加えて自社開発のマイニングマシンも順次投入して設備を拡大しつつ、ビットコイン(BTC)やビットコインキャッシュ(BCH)の採掘を行っています。

同社が2018年11月12日に行った第3四半期決算発表によると、仮想通貨マイニング事業の営業損益は、2018年第1四半期(1~3月)には1億9000万円の黒字だったものの、第2四半期(4~6月)には3億6000万円の赤字に転落。そして第3四半期は6億4000万円の赤字と、赤字幅が大幅に拡大しています。

BTC価格停滞とハッシュレート上昇が原因

GMOインターネットはこの原因について、マイニング設備の拡張は進んだものの、ビットコイン価格の停滞やハッシュレート(計算速度)の上昇というマクロ環境の悪化により収益性が悪化したため、売上高は対前四半期から微増の12億4900万円にとどまり、電気代やマイニングマシン償却費といった固定費の増加分を補えなかったと説明しています。

第4四半期(10~12月)の見通しについても、同社は「グローバルハッシュレートと仮想通貨の時価によるものの、外部環境が今とあまり代わらなければ厳しい状況だと想定している」と説明。「主なコストは電気代とマイニングマシンの償却費なので、電気代の安い場所の検討などを行い、できることはすべて行いたい」としています。

GMOコインの仮想通貨交換事業は好調

その一方で、グループ企業のGMOコインの仮想通貨交換事業では、口座数が19万7000口座に増え、売上高は13億6900万円と大幅に増加。これにより、仮想通貨事業部門全体では営業損益は1億400万円の黒字となっています。

「GMO miner B3」は部品調達難で出荷めど立たず

GMOインターネットは、2018年第2四半期のマイニング事業の営業損益が赤字転落した際には、こうした事態が「想定外」だったとして、以後は自社マイニングよりも外部へのマイニングマシンの販売に力を入れていく方針を表明していました。

しかし、今回の発表では、2018年11月から出荷を開始する予定だった同社製最新型マイニングマシン「GMO miner B3」について、一部電子部品の調達が難航していることから、出荷を2019年以降に延期せざるを得なくなったことが明らかにされました。

世界最高性能と省エネ機能を備えた国産機

「GMO miner B3」は、世界初の7nmプロセスのマイニングチップを搭載し、世界最高水準の1台あたり24~33TH/sのハッシュパワーを持っています。その一方、グローバルハッシュレートのディフィカルティーに応じてクロックスピードをコントロールして電力消費を抑える「自動マイニング最適化」機能を備え、設置スペースは他社製品の半分、ネットワークコストは他社の55分の1と、高性能と省エネ・低コストを両立。マイニングマシンの世界最大手である中国ビットメイン社の「Antminer」シリーズに対抗できる国産マシンとして、世界から注目を集めていました。

今回の発表でGMOインターネットは「抵抗などのマシンに必要な電子部品の需要がひっ迫しており、入手が困難な状況にある」として、出荷の見通しについて具体的な日程を示すことは現段階では難しいと説明しています。

出荷延期に伴い返金も

「GMO miner B3」は既に7月2日から注文の受け付けを開始しており、年内出荷予定分の製造数を上回る数の受注があったものの、出荷が延期となったため、希望者には返金処理を行っているとのことです。

同社はさらに、外部販売が難しい状況となった場合には、社内で自社マイニング用に利用する可能性もあるとし、自社・外販ともに柔軟に対応できるよう社内体制を整えているとしています。

「GMO miner B3」の発売価格は1999ドル(電源ユニット込み、送料別)とされていましたが、同社は価格についても「出荷時の競争環境により柔軟に判断したい」としています。

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