2018年11月20日の仮想通貨市場では前週末に続いてほとんどの仮想通貨が暴落、ビットコイン(BTC)の価格が2017年10月以来初めて1BTC=5000ドルを割り込み、前年同期と比べて40%以上も値を下げるなど、恐慌状態となっています。

1週間で500億ドル相当の価値が消失

ビットコインは日本時間20日午後4時の時点ではさらに値を下げており、前日比14.90%下落の1BTC=4500ドル台で取引されています。

2010年以降、ビットコインの価格は毎年11月には上昇していましたが、今年の11月に限っては、既に24%も値下がりしています。

ビットコインは11月14日に6200ドルを下回る水準になりましたが、それ以降、はるかに激しい値下がりを示しています。コインマーケットキャップの集計によると、11月14日から20日までの1週間で、仮想通貨全体の時価総額は23%減少し、500億ドル相当が消失しました。現在の時価総額は1620億ドルで、2018年1月時点の8200億ドルから約5分の1になっています。

過去1週間で主要10通貨はすべて値下がり

過去1週間で、時価総額10位以内の仮想通貨はすべて値下がりしています。このうちビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、イオス(EOS)、ライトコイン(LTC)、カルダノ・エイダコイン(ADA)、モネロ(XMR)、トロン(TRX)、アイオタ(MIOTA)の8通貨は、下げ幅が24%を超えています。

こうした中で、時価総額10位以内の仮想通貨のうちリップル(XRP)は、過去1週間の下げ幅が5%、20日の下げ幅も2.3%にとどまっており、対ビットコイン価格では過去1週間で20%以上も上昇しているのが目を引きます。これは、リップルでは他の仮想通貨のブロックチェーンとは異なったシステムを使っている点が評価されたものとみられています。

最も下落率が大きかったのはモネロ(XMR)で、過去24時間で17%下落。また時価総額上位100位以内で最も値を下げたのはメタバースETP(ETP)で、過去24時間のうちに37%も下落しています。

今回のように仮想通貨が大暴落した過去の事例としては、2013年にビットコインが1BTC=1163ドルの高値をつけた直後に160ドルまで反落した例や、同年にライトコインが1LTC=50ドルから1ドルへと50分の1にまで暴落した例があります。

「ハッシュ戦争」が暴落の一因か

今回の仮想通貨市場大暴落の原因として考えられるのは、11月15日に行われたビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークによる分裂と、それに伴う2つの陣営間の「ハッシュ戦争」と呼ばれる争いです。

ビットコインキャッシュはアップデートの内容をめぐる対立から、「ビットコインキャッシュABC(BCHABC)」と「ビットコインキャッシュSV(BCHSV)」の2つのブロックチェーンに分裂しました。このうち「SV」側を主導するオーストラリアの仮想通貨技術者クレイグ・ライト(Craig Wright)氏らの陣営は、分裂直前にはビットコインキャッシュのハッシュパワー全体のうち約75%を占めていました。ライト氏はこのハッシュパワーを使って、「ABC」のチェーンを破壊すると宣言しています。

これに対し、「ABC」陣営のロジャー・バー(Roger Ver)氏が率いる大手マイニングプールのBitcoin.com
は、防衛のため、これまでビットコインの採掘に使っていたハッシュパワーをすべて「ABC」のマイニングに振り向けて応戦。両陣営は巨額の損失を出しながら「ハッシュ戦争」を続けており、その行方がどうなるかは予断を許さない状況が続いています。

こうした「ハッシュ戦争」の勃発により、取引承認アルゴリズムにプルーフ・オブ・ワーク(POW)を使っているブロックチェーンの脆弱性が一般の仮想通貨投資家の間で再認識された点も、今回の暴落の一因になっているとみられます。

ブルームバーグ・インテリジェンス所属のアナリスト、マイク・マクゴーン(Mike McGlone)氏は、今回の暴落がビットコインキャッシュの分裂を発端としたものだと分析し、状況はさらに悪化するだろうとしています。ブルームバーグの報道によると、複数のアナリストはビットコインの価格が今後も下落を続け、1BTC=1500ドルの水準にまで落ち込むと予測しています。

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