実施が遅れていた仮想通貨イーサリアム(ETH)の次期大型アップデート「コンスタンティノープル(Constantinople)が、2019年1月14~18日ごろ実施されることが、このほど開発者会議で決まりました。ASICマシンによるマイニングを妨害する機能「ProgPoW」がこのアップデートで実装されるかどうかが注目されていますが、その最終決定は今回の会議では先送りされました。

実施ポイントは708万ブロック

2018年12月7日に開かれたイーサリアムのコア開発者会議で、開発者たちは「コンスタンティノープル」のアクティベーションポイントを708万ブロックとすることで一致しました。

クライアントソフトウェア「パリティー・イーサリアム(Parity Ethereum)」のリリースマネジャー、アフリ・ショードン(Afri Schoedon)氏によると、このブロック数に達してイーサリアムのメインネットで「コンスタンティノープル」が稼働開始するのは、2019年1月14~18日ごろと予測されています。

イーサリアム財団とイーサリアムのクライアントソフトウェア「ゴー・イーサリアム(go-ethereum,Geth)」のセキュリティー担当者、マーティン・ホルスト・スウェンデ(Martin Holst Swende)氏は、リリースされるGethには、何らかの想定外の事態が発生した場合に備えて、「コンスタンティノープル」へのアップグレードを遅らせる非常用スイッチが備えられていると述べています。

当初は11月実施予定

「コンスタンティノープル」は当初は2018年11月に実施される予定でした。しかし、10月14日に始まったテストネット「ロプステン(Ropsten)」での試験運用で初日からブロックを生成できず、取引が記録されなくなるトラブルが発生。システムを点検した結果、コード内に複数のバグが発見されました。これらのバグ修正のため、開発陣は「コンスタンティノープル」のメインネットでの稼働開始を2019年1月以降に延期していました。

10月時点で「コンスタンティノープル」のアップデート内容として確定していたのは、イーサリアムのマイニングの難易度が一定期間経過後に上昇する、いわゆる「ディフィカルティー・ボム」の発動を18カ月間遅らせることと、その代わりに1ブロックあたりのマイニング報酬を現在の3ETHから2ETHへと減額すること、その他、イーサリアム・プラットフォームのコードを合理化するいくつかの設計変更でした。

ASIC対策機能を導入するかは決定に至らず

しかし、「コンスタンティノープル」の実施が2019年に延期されたことに伴い、いったんは見送りになっていた別の大きなシステム変更をこのアップデートに盛り込むことが再検討されています。それはイーサリアムのマイニングへのASICマシンの参入を妨害する「ProgPoW」と呼ばれる機能です。

「ProgPoW」は、イーサリアム対応のASICマシンの発売が近く予定されていることから、それらに対抗するためのシステム変更です。具体的には、グラフィックボード(GPU)を積んだパソコンのマイニング効率を最大化する一方で、専用ASICマシンのマイニング効率を最小化するものとなっています。これは、高性能なASICマシンを備えた大規模マイニング事業者によるネットワーク支配を阻止することを狙いとしています。

12月7日の開発者会議では、「ProgPoW」を「コンスタンティノープル」に盛り込むかどうかについても討議されました。「ProgPoW」の実装に向けた開発は順調に進展していることが報告されましたが、これをアップデート内容に含めるかどうかの決定には至りませんでした。イーサリアム財団のスウェンデ氏は「このオプションについての決定は先送りすることにした」と述べています。

「イーサリアム1x」についても討議

開発者会議ではまた、2019年に導入される見通しのアップデート「イーサリアム1x(ethereum 1x)」についても話し合われたことが明らかになりました。「イーサリアム1x」とは、現在のイーサリアムを「イーサリアム1.0」、最終アップデート「セレニティー」によって完成形となったものを「イーサリアム2.0」とした場合に、その中間段階となる形態のことです。

「イーサリアム1x」については、会議でいくつかのワーキンググループから作業の進行状況の説明があったものの、開発陣は、まだそれが開発の初期段階にあると強調しています。

イーサリアム財団の広報担当者、ハドソン・ジェームソン(Hudson Jameson)氏は「ProgPoWについてははっきり実装するとはまだ決まっていない。本日私たちが討議したワーキンググループのいずれについても同様だ」と述べています。さらに、今後は「イーサリアム1x」に向けたロードマップに関する討議が交流サイトや会議で行われ、それらは公開されるとしています。

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