日本での仮想通貨やブロックチェーン技術の発展に向けて、その税制改正を目指す「仮想通貨税制を変える会」が2018年12月に発足し、会長に藤巻健史参院議員(日本維新の会)が就任しました。

日本のブロックチェーン技術を世界最先端に

仮想通貨税制を変える会」は公式サイトで、「ブロックチェーン技術は社会インフラを大きく向上させる確かな技術である」とした上、2016年4月に経済産業省が発表した報告書で、ブロックチェーン技術の展開による市場規模が65兆円以上と見込まれている点を指摘。さらに、日本は現在、仮想通貨の先駆けであるビットコイン(BTC)の取引量で世界一であり、国内有力機関の仮想通貨市場への参入も相次いでいることからも、日本のブロックチェーン技術は世界の最先端であるべきであり、そしてそれは国益に直結するものであると強調しています。

その上で、ブロックチェーン技術の向上には、同技術と表裏一体にある仮想通貨の社会への広い浸透と、さらなる実用化が不可欠だとして、そのためには「仮想通貨の税制は適切なものでなければならない、税制が仮想通貨やブロックチェーンの未来を潰してはならない」と呼びかけています。

4項目の税制改正を主張

同会では具体的には、以下のような4項目の税制改正を行うべきだと主張しています。

    1. 最高税率55%の総合課税から20%の分離課税へ
      現在、仮想通貨の取引益に対する税制は、最高税率55%の総合課税となっています。給与所得のように安定した収入が見込まれるものであるならば、総合課税適用も合理性がありますが、仮想通貨の取引益はそうではありません。株式や投資信託、外国為替証拠金取引(FX取引)と同様に収益は不安定で、損失を出す年もあり得ます。
      その観点から同会は、仮想通貨の取引益には、株式や投資信託、FX取引と同様に、税率20%の分離課税を適用すべきであると主張しています。
    2. 損失の繰越控除を可能に
      現在、仮想通貨の取引損を翌年以降に繰り越すことは認められていません。仮に今年大きな損失を出してしまったが、翌年はそれなりの利益を出した場合、通算の損益はマイナスであったとしても多額の税金を納めなければなりません。
      これに対し、仮想通貨取引と同じ性質を持つ株式や投資信託、FX取引の取引損は繰り越すことができ、翌年以降の利益から差し引くことが認められています。
      同会では、税の公平性の観点からも、仮想通貨の取引損の繰越控除を認めるべきだと主張しています。
    3. 仮想通貨間の売買を非課税に
      仮想通貨間の売買も、現在の税制では課税対象になっています。例えばビットコイン(BTC)でリップル(XRP)を買ったとしたら、その時点でビットコインの売買損益を確定させ、利益が出ていたら納税をしなければなりません。1回の取引ごとに、その都度損益を計算する作業は、極めて煩雑で大きな負担となってしまいます。
      同会では、仮想通貨間の取引量を増加させ、仮想通貨市場を活性化させるために、仮想通貨間の売買を非課税とすべきだと主張しています。
    4. 少額決済を非課税に
      今後取引の増加が見込まれる実社会における仮想通貨の決済も、現在の税制では課税対象とされています。たとえば、飲食店で食事をして3000円分の会計をビットコインで支払ったとしたら、その時点でのビットコイン価格とビットコインの購入価格から損益を確定させ、利益が出ていたら納税をしなければなりません。
      このようなことをいちいちしていたら、実社会での仮想通貨決済の浸透は到底望めないとして、同会では、少額の仮想通貨決済は非課税とし、実社会での仮想通貨決済を拡大させていくべきだとしています。

「仮想通貨の未来信じる」-藤巻会長

「仮想通貨税制を変える会」の会長に就任した藤巻氏は、モルガン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)東京支店長兼日本代表や、投資家ジョージ・ソロス氏のアドバイザー、金融庁審議会専門委員などを経て、2013年に日本維新の会から参院選に出馬して初当選。参院では財政金融委員会の委員を務めています。

藤巻会長は就任に当たり、公式サイトに以下のようなメッセージを寄せています。

近年私は多くの仮想通貨やブロックチェーンの専門家とお会いし、話を伺い、自らも勉強を重ねる中で、「ブロックチェーン技術は将来社会インフラを各段に向上させるもので、国益に大きく資する」ということを確信するに至りました。そしてそのためには仮想通貨の税制を適切なものに変え、仮想通貨を広く社会に浸透させていく必要があると考えております。

新しい技術というのは得てして世間からまがい物として見られがちです。(今でこそ広く浸透していますが、私がJPモルガンで多用したデリバティブ取引も当時は色眼鏡で見られたものです。)仮想通貨やブロックチェーンはまさに新しい技術、世間からまがい物として見られることも少なくありません。しかし私は仮想通貨・ブロックチェーン技術の確かさ、未来を信じています。

仮想通貨の浸透・ブロックチェーン技術の向上の一役を担うことができれば、政治家として本望です。

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