仮想通貨を通じてお金の使い方を学べる子ども向けデバイス「ビグズビー(Pigzbe)」が英国の開発チームによって考案され、クラウドファンディングで当初の目標額をはるかに上回る6万ドルの調達を達成しました。製品は2019年6月ごろ出荷される見通しです。

かわいいブタのウォレットで学習

開発元の英スタートアップ企業ピグズビー社が2018年12月5日、ロンドンで発表したところによれば、この「ピグズビー」は、子どもがお小遣いやお手伝いの駄賃などを仮想通貨ウォロ(Wollo)で受け取り、自分で貯蓄目標などを立てて管理することで、お金の使い方について学習できるデバイスです。

LEDでかわいいブタの顔が浮き出てくるこの端末は、仮想通貨ウォレットとしてお金を受け取ったり貯蓄額を確認したりすることができます。保護者は付属のアプリを使って、子どもの持っている「ピグズビー」端末にお小遣いやお駄賃などをウォロで送金することができます。

開発元は「ピグズビー」で学習できる内容として、以下の三つを挙げています。

  1. お金を稼ぐ
    子どもが親の手伝いをしたことなどへのごほうびとしてお金を仮想通貨で受け取ると、「ピグズビー」の端末上で、そうした労働の成果を見て実感でき、労働意欲や自尊心を育成することができます。
  2. お金の管理
    端末上で貯蓄の目標額を設定することができ、お金が貯まっていくのを端末上で見ることができ、今いくら貯まっているかや、お金を稼ぐにはどうすればいいかを理解できるようになります。
  3. お金の支出
    いくら支出していくら貯蓄するかを自分で決断できるようになり、自立心を学ぶことができます。

ウォレット端末とアプリで構成

「ピグズビー」は、ブタのウォレット端末と、保護者用と子供用それぞれのアプリ、それに充電用コード(USB-C規格)のセットで構成されています。

ブタのウォレット

ブタのウォレットは、親から与えられる新しい仕事や貯金の残高などを子どもに通知します。この端末には128のLEDライトやスピーカー、バイブレーター、それに2つのボタンがついており、子どもたちが仮想通貨を通じてお金を学ぶための窓として機能します。

アプリ

保護者用のアプリでは、両親が子どもに与える小遣いの額や、子どもがお金を稼ぐために必要な仕事内容を設定することができます。「ピグズビー」の家族内ネットワークに他の人を招待することもできます。

一方、子供用のアプリはインタラクティブゲームとなっており、このゲームで子どもたちが「お金の木」を育成して、それが育っていくのを見守ったり、お金についての新しい概念を学んだりできるようになっています。

ウォロはVISA加盟店で決済に利用可能

「ピグズビー」では、専用の仮想通貨ウォロが使われます。ウォロは世界各地に迅速かつ低コストで送金できるように設計されています。

すべての「ピグズビー」には、あらかじめ保護者から子どもへの配布用に200ウォロが入っており、これだけあれば、1万件の仕事の報酬分をまかなうことができます。もしこの200ウォロを使い果たしてしまった場合には、オンラインでウォロを追加購入することができます。

子どもが貯めたウォロは、提携企業であるVISAカードの使える世界5000万カ所の店舗、あるいはオンラインで、買い物の決済に使うことができます。

7歳までにその人のお金の習慣が決まる

「ピグズビー」の対象年齢は6歳以上の児童に設定されています。

ケンブリッジ大学の調査研究では、子どもは7歳までには既にお金についての感覚が発達しており、7歳までに身につけたお金についての習慣が、残りの一生にわたり、その人のお金の使い方を左右するとされています。

「ピグズビー」の開発元は、こうした研究結果を踏まえ、お金の使い方についての学習を子どもが早くからスタートすればするほど、彼らが後の人生においてお金の管理に熟達できるチャンスが広がるだろうとしています。

開発元のピグズビー社とは

開発元のピグズビー社は、ロンドンで設立された教育テクノロジーのベンチャー企業で、アップルやグーグル、米航空宇宙局(NASA)などで働いた経験を持つデザイナーや発明家、物語作家などの人々が、世界15カ国から集結しています。

共同設立者兼最高経営責任者(CEO)のフィリッポ・ヤコブ氏は、遊びながらプログラミングが学べる玩具「プリモトイズ・キュベット」の生みの親として知られ、米フォーブズ誌が選んだ2017年の「30歳未満の起業家30人」にも選ばれた人物です。

ヤコブ氏は「ピグズビー」の開発目的として、キャッシュレス化が進む世の中で、子どもたちのお小遣いを教育的な機会にすることと、大人たちのストレスを減らすことを挙げています。「これまでは、”ブタの貯金箱”とお小遣いで個人の資産管理の初歩が学べました。お手伝いをしてお駄賃をもらい、それを貯金箱にしまう。ときどき、それを出して確認する。これでよかったのです。しかし、キャッシュレス化が進む世の中では通用しません。ピグズビーは、電子マネーを分かりやすく、楽しく、使いやすい方法で子どもたちに紹介します」と同氏は述べています。

クラウドファンディングは1月末まで

「ピグズビー」のクラウドファンディングは資金調達サイト「キックスターター」上で2019年1月末まで実施。製品の発売は2019年6月ごろを予定しています。

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