仮想通貨交換業者のSBIバーチャル・カレンシーズ(本社・東京都港区、北尾吉孝社長)は2018年12月21日、顧客から預かっている仮想通貨資産について、他の仮想通貨交換業者のウォレットなどに送付する「受取(入庫)サービス」と、同社指定のハードウェア・ウォレットに送付する「送付(出庫)サービス」の2つの新サービスを開始すると発表しました。中でも注目されるのは、「送付(出庫)サービス」の開始に当たり、全顧客にハードウェア・ウォレットを配布するとしている点で、日本の仮想通貨取引所では初めての試みとなります。

受取(入庫)サービス

SBIバーチャル・カレンシーズは「受取(入庫)サービス」については、2018年12月21日からサービス提供を開始するとしています。

これは、同社が取り扱っている仮想通貨のうち、同社の指定する、リップル(XRP)、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)の3種類について、ユーザーが同取引所に預けている資産を他の仮想通貨交換業者のウォレットなどから受け取ることができるというサービスです。

また、同社の取り扱っている仮想通貨のうち、ビットコインキャッシュ(BCH)については、11月15日にハードフォークが行われて2つのチェーンに分裂していることから、ブロックチェーン・ネットワークの正常な稼働が確認でき、顧客資産の保全および顧客との取引に支障がないと同社が判断する時点からの提供開始となる予定としています。

送付(出庫)サービス

一方、同社の「送付(出庫)サービス」とは、ユーザーが同取引所に預けている仮想通貨資産を、同社指定のハードウェア・ウォレットに送付するサービスのことです。この送付サービスについては、2019 年1月下旬以降、同社の準備が完了し次第、開始する予定としています。

「送付(出庫)サービス」での資産の送付先は、同社が指定するハードウェア・ウォレットのアドレスに限定されます。

そして注目されるのは、同社指定のハードウェア・ウォレットを各ユーザーに送付するとしている点です。仮想通貨取引所がすべてのユーザーに対してハードウェア・ウォレットを提供するという取り組みは、日本の取引所では初めてとなるだけでなく、世界的に見ても主要な取引所ではまだ実施されていない、類例のないものです。

指定ハードウェア・ウォレットは、各ユーザー宛てに本人限定郵便で送付し、顧客本人に受け取ってもらうとされています。これは、マネーロンダリングおよびテロ資金供与の防止の観点から、ユーザー本人と指定ハードウェア・ウォレットに係るアドレスをひも付け、仮想通貨の送付先を限定するためということです。

指定ハードウェア・ウォレットの入手方法やご利用上の注意点などの関連情報は、SBIバーチャル・カレンシーズまたは同社の関係会社のウェブサイト上で随時提供していくとしています。

ハードウェア・ウォレットとは

仮想通貨のハードウェア・ウォレットとは、仮想通貨を保管するウォレットにアクセスするための秘密鍵を保管した外部デバイスのことです。通常はパソコンなどに専用アプリをインストールした上で、そのパソコンのUSBジャックなどにハードウェア・ウォレットを接続して使います。

仮想通貨のウォレットの分類方法には、ネットに接続された「ホットウォレット」、ネットから分断された「コールドウォレット」という分け方のほか、ウォレットの形態に着目した「ウェブウォレット」「ソフトウェア・ウォレット」「ハードウェア・ウォレット」という分け方があります。

このうちウェブウォレットとは、仮想通貨取引所などのウェブサイト上に仮想通貨を保管するタイプのウォレットのことです。どこからでも自分のアカウントにログインさえすれば、仮想通貨の取引や送金が簡単にできることや、他のタイプのウォレットと違って、端末を紛失してしまっても利用できることが大きな利点です。

ただ、取引所のウォレットに仮想通貨を預けっぱなしにしておくということは、常にハッキングの危険にさらされていることにもなります。仮想通貨取引所としては取引に備えて一定割合の仮想通貨をホットウォレットに保管せざるを得ないため、取引所サイトなどに仮想通貨を預けっぱなしにするウェブウォレットには、安全面で不安があります。

一方、ソフトウェア・ウォレットとは、スマートフォンやパソコンなどの端末にウォレットアプリをインストールすることで使えるウォレットのことです。よく使われているイーサリアム対応の「マイイーサウォレット(MyEtherWallet)」などでは、ネットから分断した環境(コールドウォレット)でも利用でき、ウェブウォレットに比べれば安全性は高くなっています。ただ、端末を紛失・破損したり、パソコンやスマホにウイルスが仕込まれてハッキングされたりする危険はあります。

これらに対し、ハードウェア・ウォレットは、物理的に独立したデバイスで仮想通貨の秘密鍵を管理するウォレットで、パソコンに接続して取引する時以外はネットと分断されているため、上記2種類のウォレットに比べ、安全性は極めて高くなっています。

ただ、ハードウェア・ウォレットは、これまでは数千~数万円のデバイス購入費用がかかるのが難点となって、比較的多額の仮想通貨資産を管理する人向きのウォレットとなっていました。それをSBIバーチャル・カレンシーズが全ユーザーに配布することで、資産の安全性は飛躍的に高まることになります。他の仮想通貨取引所もSBIの取り組みに追随すれば、日本の仮想通貨ユーザーの間でハードウェア・ウォレットは一気に普及しそうです。

あわせて読みたい

仮想通貨所有者が今すぐハードウェアウォレット買うべき4メリット!

友だち追加