2018年秋に東京・茅場町に誕生した日本初の現金を使わない無人コンビニエンスストア「ロボットマート」で、仮想通貨決済が利用できる見通しとなりました。現在の決済方法は「PayPay」のみとなっていますが、これに加えて、同店用に開発された仮想通貨決済システム「ROBOT MART Challet」が近く導入される予定です。

ロボットマートとは

ロボットマートは、日本初のキャッシュレス決済による無人コンビニとして、2018年9月27日に東京の日本橋茅場町に1号店の日本橋店がプレオープン。11月29日からは実証実験の第2弾として再オープンしています。現在の営業時間は10時から19時までですが、実証実験終了後は24時間営業となる予定です。

客が自分で選んだ商品を台の上に置くと、ロボットが商品を自動で読み取り、合計金額を示します。客は代金をスマートフォンアプリでキャッシュレス決済する仕組みとなっています。

運営元である株式会社ロボットセキュリティポリス(本社・東京都港区、田村幸広社長)は、ロボットのサポートや販売、通信サービスなどを行ってきた会社です。同社はロボットマートの特徴として、「ロボットによる接客」「遠隔での監視」「QRコード決済」の3点を挙げています。

ロボットマート日本橋店の店頭には看板ロボットのモスペンくんが常駐しています。ロボット店員なので当然ながら、24時間休憩なしで働かせても深夜手当など人件費もかからず、労働基準法にも違反しません。

また、トラブルや犯罪への対策として、遠隔監視システムと24時間コールセンターを設置して対応しています。そもそもキャッシュレス決済で店内に現金を置いていないため、コンビニ強盗に襲われる危険も少なくなります。

QRコード決済の導入は、ロボットマートの最大の特徴となっています。これまでの日本のキャッシュレス決済では、クレジットカード決済や、Suica、PASMOなどの交通系ICカード決済が主流となっていますが、これらの決済方法と違って、QRコード決済では店舗に端末を設置する必要がないため、大手小売店だけでなく個人商店などでも手軽に導入できます。既に中国などではQRコード決済を使った無人コンビニが増加しつつあります。

ロボットセキュリティポリスでは、QRコード決済は今の日本ではまだなじみが薄いものの、今後需要が増えてくると指摘。既に現金決済のインフラが整っている日本でも、あえてQRコード決済を広めていくのが、ロボットマートのミッションだと位置づけています。

現在はPayPayのみに対応

現時点でロボットマートのキャッシュレス決済は、ソフトバンクのグループ企業が2018年10月にサービスを始めた「PayPay」のみに対応しています。PayPayは、スマートフォンアプリを使って、店舗でのQRコードやバーコードの読み取りにより、クレジットカードや事前にチャージしておいたPayPay残高などから決済ができるシステムです。

PayPayは、決済金額の20%を還元するなどの「100億円あげちゃうキャンペーン」で注目を集めた一方、二重決済や身に覚えのない請求をされたとのトラブル報告も相次いでいます。その原因のひとつとして、クレジットカードのセキュリティーコードの入力回数に制限がかけられていないという脆弱性があることが分かりました。運営元は12月19日、トラブルの続発に関して利用者に謝罪しています。

アイフリークモバイルの「Challet」をカスタマイズ

スマートフォンのウォレットアプリを通じた仮想通貨決済も、QRコードを利用するため、PayPayと同様に店舗側が端末設置などの初期投資をすることなく導入できるのが特色です。しかも、クレジットカードなどでは4~5%程度かかる取引手数料も、仮想通貨決済なら比較的安く抑えられます。

ロボットセキュリティポリスは、独自システムによる仮想通貨決済をロボットマートに導入する方針を、以前から表明していました。

そして同社は2018年12月、モバイルコンテンツ事業などを展開する株式会社アイフリークモバイル(本社・福岡市、上原彩美社長)が開発した仮想通貨決済機能「ROBOT MART Challet(ロボットマートチャレット)」の採用を決定しました。具体的な導入時期はまだ明らかにされていませんが、アイフリークモバイルは同社の仮想通貨ウォレット採用に伴う意向表明書(LOI)を、既にロボットセキュリティポリスから受理したと発表しています。

「ROBOT MART Challet」は、アイフリークモバイルが開発したスマートフォン用の仮想通貨ウォレット「Challet(チャレット)」を、ロボットマートの決済システム用にカスタマイズしたものです。「Challet」はチャット機能を備えており、これを使って仮想通貨ウォレットアドレスやテキストメッセージ、ボイスメッセージ、画像などを送受信できるのが特徴です。仮想通貨イーサリアム(ETH)に対応しています。

「ROBOT MART Challet」でも、「Challet」と同様にチャット機能が使用可能です。「ROBOT MART Challet」と「Challet」それぞれのチャットユーザーは共通のサーバーで管理され、双方のユーザー間でのチャット機能の利用もできるようになります。両社はこれにより、ロボットマートの利用拡大とともに、「Challet」のコミュニケーションツールとしての活用が拡大することを目指しています。

政府がキャッシュレス決済の推進を掲げている中、ロボットマートでの仮想通貨決済の導入は、小規模な小売店がキャッシュレス化を進めていく上でのひとつのモデルケースとなりそうです。

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