国際航空貨物事業や日本産品の海外向け通販事業を行っている全日空グループの株式会社ACD(本社・東京都江東区、園田康博社長)が、ロジャー・バー氏率いるBitcoin.comとの間で仮想通貨に関する戦略的パートナーシップ協定を締結しました。これにより、2019年春以降、ACDが海外で展開する通販サイトの決済に仮想通貨ビットコインキャッシュ(BCH)が使えるようになる予定です。

「ACDトークン」がBCHのプラットフォームに

Bitcoin.comのロジャー・バー(Roger Ver)最高経営責任者(CEO)は2018年12月28日、Bitcoin.comと株式会社ACDが戦略的パートナーシップを締結すると発表。これに伴い、ACDが発行する「ACDトークン」がビットコインキャッシュのプラットフォーム上のトークンとなる予定です。ACDは早ければ2019年春にも、このビットコインキャッシュのプラットフォーム上で、日本の商品の海外向けネット通販をはじめとするさまざまな消費者向けサービスを供給していきます。

ACDとBitcoin.comの両社は、広範囲な調査や検証の結果、ビットコインキャッシュが世界の消費者と事業者の双方にとって、安価かつ迅速で信頼性の高い決済手段として最も有益な仮想通貨であるとの結論に達し、同仮想通貨を活用していくことで合意したとしています。

両社の戦略的パートナーシップ協定に伴い、ACDが海外の消費者向けに展開しているオンラインショップ上で、ビットコインキャッシュによる決済ができるようにになります。今後数カ月間のうちに、ビットコインキャッシュのプラットフォーム上に構築されたACDトークンの詳細や、追加的なさまざまなサービスの利用方法などについて発表される予定です。

ACDの園田社長は「市場に流通しているさまざまな仮想通貨への広範な調査の結果、ACDはビットコインキャッシュを新たな決済方法とすることを選択した。これによって、迅速かつ安価で信頼できるオンライン、オフライン両方の国際取引が実現でき、顧客のためになる」としています。

また、Bitcoin.comのロジャー・バーCEOは「ワールドワイドなお金は、ワールドワイドな航空会社にとって当然ふさわしいものである」と述べています。

ACDトークンとは

ACDトークンは、株式会社ACDが展開する海外向け通販サイトで利用できるトークンです。同社の「より安心・確実なスキームでインバウンドEC(海外向けEコマース)を行うための研究、および体制充実・拡大を行う」というプロジェクトのため、イニシャル・コイン・オファリング(ICO=仮想通貨による事業資金調達)で発行されました。

株式会社ACDは、全日空グループの貨物部門の輸送ネットワークを生かして、日本商品の海外向けネット通販に関するさまざまなノウハウや、事前通関システム「EKKYO.NET」などの特許技術を持っており、既に2016年12月から中国向けEコマースサービス「全日空海淘(ゼンニックウ・ハイタオ)」を展開しています。

「全日空海淘」は、出品企業が日本国内にある倉庫に商品を送った後、国内で関税などすべての手続きが行える「EKKYO.NET」を利用できる上、保税区と同等の30%の減税を受けられるなどの特長を持つサービスです。

ACDでは今後、この海外向けの日本商品通販サービスを、韓国、タイ、欧州、北米などへ順次拡大していく計画です。このプロジェクトでは、諮問機関として「ブロックチェーンビジネス協議会」を設置しており、主なメンバーには鈴木宗男・新党大地代表、市川眞一クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジストらが就任しています。

当初のイーサリアム仕様に問題点が浮上

ACDトークンは、クリプトスクエア株式会社が運営する独自トークン発行ソリューション「REVOL」を使って、2018年2月から4月までプレセールを実施。ERC20規格に準拠したイーサリアム上のトークンとして発行され、イーサリアムのスマートコントラクト機能を使って分散型アプリケーションとしての機能を実現していくことを想定していました。

しかし、現行のイーサリアム仕様では、海外向け通販サイトで膨大な件数のリクエストを個別の取引として処理していく上で、さまざまな課題が浮上してきました。

まず、現状ではイーサリアムのトランザクション手数料が割高なことです。そのためデータ通信費用も高額となってしまいます。

また、通販サイトの膨大なトランザクション件数に現行のイーサリアムの処理能力では追いつかず、スケーラビリティー問題に直面してしまうことです。このために、トランザクション実行までに大幅なタイムラグが発生してしまいます。

さらに、イーサリアム仕様にはセキュリティー面の問題もあると考えられました。

ACDは当初、これらの問題点をイーサリアムの「ライデンネットワーク(Riden Network)」によるオフチェーン技術によって解決することを想定していました。しかし、その後の検討の結果、イーサリアム・ネットワークからビットコインキャッシュのプラットフォームに乗り換えることになったとみられます。

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