仮想通貨交換業界の自主規制団体である一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA、奥山泰全会長)は、まだ金融庁から仮想通貨交換業者として認められていないコインチェックなど5社が2019年1月4日付で「第二種会員」として入会したことを発表しました。同協会はこれまで、金融庁の登録を受けた仮想通貨交換業者16社のみで構成されていました。

登録業者以外の協会加入は初めて

同協会の1月4日の発表によると、今回入会が認められたのは、▽2018年1月に巨額の仮想通貨不正流出事件を起こしてマネックスグループ傘下に入った「コインチェック株式会社」(本社・東京都渋谷区、勝屋敏彦社長)▽楽天グループの「みんなのビットコイン株式会社」(本社・東京都港区、山田達也社長)▽仮想通貨c0ban(コバン)を活用したサービスを展開する「株式会社LastRoots」(本社・東京都中央区、小林慎和社長)▽LINEグループで海外向け仮想通貨取引所BITBOXを運営している「LVC株式会社」(本社・東京都新宿区、高永受社長)▽ユナイテッドグループで仮想通貨交換業参入を計画中の「コイネージ株式会社」(本社・東京都渋谷区、山崎良平社長)-の5社です。

いずれも金融庁に仮想通貨交換業の登録を申請中の事業者で、このうちコインチェック、みんなのビットコイン、LastRootsの3社は、2017年4月の改正資金決済法施行以前から仮想通貨取引所を営んでいたことから、経過措置として暫定的に営業を認められている「みなし仮想通貨交換業者」です。登録業者以外の事業者が協会加盟を認められたのは、今回が初めてとなります。

日本仮想通貨交換業協会は、2018年3月に仮想通貨交換業者16社で設立され、同年10月24日に金融庁から改正資金決済法に基づく自主規制団体として認定されました。これにより、同協会は同法87条に規定する「自主規制規則に対しての強制力を持つ団体」となり、会員企業が協会の定める自主規制規則に違反した場合には、課徴金や会員資格停止などのペナルティーを課すことができるようになりました。

こうした強制力は「第二種会員」として加入した企業にも適用され、5社は今後、協会の自主規制規則に拘束されることになります。

同協会が2018年7月に制定した「定款の施行に関する規則」では、「第二種会員」としての入会を希望する企業に対して法および協会の自主規制規則への適合状況の確認その他の必要な指示を行うことを定めています。このため、今回入会した5社は、現時点で関連法令や自主規制規則に適合していることが協会によって認められたことになります。

同協会は今後、5社に対して仮想通貨交換業の登録準備に関する支援を行うほか、法令や自主規制規則の順守態勢に関して指導を行っていくことになります。

近くウォレット業者など「第三種会員」の入会募集も

日本仮想通貨交換業協会の奥山会長は2018年10月24日の自主規制団体認定に伴う記者会見で、「みなし仮想通貨交換業者」や、仮想通貨交換業の登録申請中または申請を予定している企業を「第二種会員」として入会を受け付ける方針を表明。同月29日から受け付けを開始していました。

さらに同会長は、仮想通貨ウォレットを専門とする業者などについても「第三種会員」として協会への加盟を促し、2018年度内に入会受け付けを開始する方針を表明しています。「第三種会員」は定款上では「本協会の目的に賛同する者」とされており、仮想通貨交換業者以外の関連事業者が想定されているとみられます。

コインチェックの早期登録承認に影響するか

今回加入が認められた業者のうち、コインチェックは「みなし業者」として営業中の2018年1月に仮想通貨NEM約580億円相当が不正流出する事件を起こしています。事件を受けて金融庁が行った立ち入り調査の結果、顧客からの預かり資産である仮想通貨をハッキングの危険のあるホットウォレットに保管しているなど、管理運営面の落ち度が見つかり、2度にわたり業務改善命令を受けています。

コインチェックは事件後、業務の大半を中止していましたが、2018年4月にネット証券大手のマネックスグループの傘下に入り、同年10月30日からは新規口座開設や一部仮想通貨購入・取引の業務を再開しています。

コインチェックの巨額不正流出事件を受けて、金融庁の仮想通貨交換業登録審査は厳格化しており、事件後に登録を認められた業者はまだ1社もありません。しかし、2018年12月、コインチェックが近く金融庁から仮想通貨交換業者として登録が認められる見通しになったことが報じられました。

こうした動きに対し、与党・自民党内から「新規事業者は“2018年内は難しい”という中で、認めるという話が出てきたことは、いかがなものかと思わざるを得ない」との声が出るなど、巨額の不正流出事件で仮想通貨業界の信用を失墜させたコインチェック社自身が事件後初の登録業者となることに対して異論が噴出。結局、2018年中とみられていたコインチェックの仮想通貨交換業登録はまだ承認されておらず、同社は「第二種会員」として協会に入会することになりました。

今回のコインチェックなど5社の日本仮想通貨交換業協会への入会が、仮想通貨交換業者登録の早期承認に向けて前向きの材料となるかどうかも注目されます。

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