金融庁は2019年1月11日、仮想通貨取引所を運営するコインチェック株式会社(本社・東京都渋谷区、勝屋敏彦社長)に対する仮想通貨交換業者としての登録を承認したと発表しました。新たな仮想通貨交換業者の登録承認は2017年12月以来のことで、登録業者数はこれにより17社となりました。

コインチェック事件後初の登録業者に

2017年4月施行の改正資金決済法により、日本で仮想通貨交換業を営むには金融庁への登録が必要となっていますが、コインチェック社は同法施行以前から営業していた事業者として、経過措置により「みなし仮想通貨交換業者」として暫定的に営業を認められていました。

仮想通貨交換業者の登録はこれまで、2018年9月にマネーパートナーズ、QUOINE、bitFlyer、ビットバンク、SBIバーチャル・カレンシーズ、GMOコイン、ビットトレード、BTCボックス、ビットポイントジャパン、フィスコ仮想通貨取引所、テックビューロの11社が、同年12月にDMM Bitcoin、ビットアルゴ取引所東京、Bitgate、BITOCEAN、Xthetaの5社が、それぞれ承認を受けています。

しかし、2018年1月にみなし業者のコインチェックで約580億円相当の仮想通貨NEMが不正流出する事件が発生。これを受けて金融庁の登録審査は厳格化され、同事件以降は新たな登録承認が出ない状況が長らく続いていました。

コインチェックの巨額不正流出事件は内外の投資家の不安を招き、日本の仮想通貨市場を冷え込ませる一因ともなりました。そのコインチェック社自体が事件後初の登録業者として金融庁から認められることに与党・自民党内などから異論も出ている中での登録承認となりました。

マネックス傘下で昨年秋から業務再開

コインチェックは事件後、金融庁の緊急立ち入り検査の結果、管理態勢などに不備が見つかり、2度にわたり業務改善命令を受け、業務の大半を停止していました。しかし、2018年4月にネット証券大手のマネックスグループの傘下に入り、新経営陣の下で同年10月以降、新規口座開設や仮想通貨購入・取引のサービスを段階的に再開しており、同年11月26日からは、同社が取り扱うすべて仮想通貨について入出金や売買が可能となっています。

コインチェックは1月11日、公式サイトで「仮想通貨交換業者登録に関するお知らせ」と題し、同日付で関東財務局への仮想通貨交換業者としての登録が完了したことを報告しています。

同社はその中で、「当社では、金融庁が2018年10月24日に公表した『仮想通貨交換業者の登録審査プロセス』に従い、同庁に対し、当社の事業内容や事業計画及びリスク管理の基本的な考え方、さらには具体的な内部管理態勢や利用者保護を念頭においたガバナンス態勢の整備状況等について説明してまいりました」としています。

さらに、事件後の対応についても、「これまで当社では、2018年1月の不正アクセスによる仮想通貨NEMの不正送金を受け、部分的にサービスを停止し、業務改善計画の策定とその実行を通じて経営管理態勢や内部管理態勢を改善するとともに、外部専門家の協力を受け、技術的な安全性を向上させてまいりました」と説明しています。

その上で同社は「このたびの仮想通貨交換業者としての登録をひとつの通過点として、当社としては、安定したサービス提供を継続し、より多くのお客様に当社サービスを安心・安全にご利用いただけるよう、更なるセキュリティの強化やユーザビリティの向上に努めてまいります」と表明しています。

金融庁、登録審査期間の目安を発表

なお、金融庁は1月11日、今回のコインチェックに対する登録承認の発表と併せて、仮想通貨交換業者の新規登録申請についての詳細な審査プロセスおよび時間的な目安を公表しました。

主要プロセスの所要期間は半年程度

それによると、最初に金融庁フィンテックモニタリング室が申請予定者から質問票の回答書を受領し、これについて補正の要否が判断されるまでに2週間程度を要します。

この手続きが終わると、登録申請の主要なプロセスに入ります。主要プロセスの開始から登録までに要する期間は、おおむね6カ月程度とされています。

まず「事前相談」として、申請予定者とのヒアリング開始から、申請予定者との対話や書面等に基づく確認までに、おおむね3~4カ月程度。その後、申請予定者を訪問して現場での実効性を確認するのに1~2週間程度を要するとされています。

この「事前相談」が完了した後で「登録申請」の段階に入ります。登録申請書の受理および登録の可否の判断には、おおむね1~2カ月程度かかるとされています。

現在、仮想通貨交換業の新規登録待ちの業者は百数十社に上っているとみられています。金融庁では今回の登録審査期間の目安公表について、「事業者等から、登録審査プロセスの具体的な進み方等に関する質問・照会が引き続き寄せられていることを踏まえ、今般、登録審査にかかる時間的な目安を含む、より詳細な登録審査プロセスを示すことで、登録審査プロセスの更なる明確化・透明化を行うこととした」としています。

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