「ブロックチェーンと仮想通貨の伝道者」と呼ばれ、仮想通貨への貢献を公約に掲げて2020年の米大統領選に立候補しているジョン・マカフィー(John McAfee)氏が、2019年1月22日、仮想通貨をめぐる脱税の嫌疑で拘束されるのを免れるため、自分のボートで米国から脱出したことを明らかにしました。同氏は1月末に横浜で開かれる「ジャパン・ブロックチェーン・カンファレンス」で講演のため来日する予定でしたが、突然の逃走劇でどうなるか注目されます。

「船上で選挙運動を続ける」

ジョン・マカフィー氏は、コンピューターウイルス対策ソフト「マカフィー・アンチウイルス」で有名な米マカフィー社(McAfee Incorporated)の創業者です。熱烈な仮想通貨推進派として、その発言は大きな影響力を持っており、「ブロックチェーンと仮想通貨の伝道者」と呼ばれています。仮想通貨に関して毎日のようにコメントを発信し、それが仮想通貨の相場を左右することでも知られています。

同氏は2020年までに仮想通貨ビットコイン(BTC)の価格が100万ドルを超えると強気の予測をしており、自身でも独自の仮想通貨マカフィー・コイン(McAfee Coin)を発行する計画を発表しています。2018年6月4日には、仮想通貨コミュニティーに貢献することを掲げて、2020年の米大統領選への立候補を表明していました。

そのマカフィー氏が、1月22日に投稿したツイッター動画で突然、米国内国歳入庁(IRS)との間に問題を抱えているとの理由で、現在ボートの上で「亡命生活」を送っていることを明らかにしました。

同氏はこの動画の中で、揺れる船の上から、自分がテネシー州の司法当局から「仮想通貨を犯罪活動に使った」との嫌疑をかけられている上、大統領選の選挙運動のスタッフ4人と同氏の夫人も犯罪容疑に問われていると明かした上、「私は8年間にわたり税金を払っていないが、それについて隠し立てをしたことはない」と、容疑を否定しています。

さらに同氏は「彼らは私に沈黙を要求しており、私はこれを許容するつもりはない。私は選挙期間の間、この船の上で逃亡生活をしながら選挙運動を行う。彼らは私に逃走の恐れがあるとして、すぐにも私を収監して口をふさごうとするつもりだが、私はそれを許さない」とした上で、「今、仮想通貨コミュニティーのわれわれは戦争状態にあり、私はその最前線に立っている」と強調しています。

税金支払い拒否を宣言

同氏は2019年1月に入って、ツイッターで89万人のフォロワーに向け、政府への税金の支払いを拒否すると表明した上、自分がIRSの第一の標的になるだろうと述べていました。さらに、米国の税制は違法なものであり、自分がこれまでに何千万ドルもの税金を支払ってきたにもかかわらず、価値のあるサービスは受け取っていないと強調。「私は金を稼ぐことは既にやり尽くし、今はマカフィー社からの支給金に頼って生活している。私の所得はマイナスである」とも語っていました。

同氏はさらに、政府に宣戦布告を突きつけたことについて、「IRSはこれを座視することはないだろう。私はこのことを分かっている。しかし私はこの戦いに全人生をささげる用意がある」とツイートしていました。

1月22日に公開された動画では、マカフィー氏は逃亡中は自分のボートの上から大統領選の選挙キャンペーン動画を毎日配信していくと述べています。また、自分が候補者である限り、IRSは正式に告発することはできないとしています。

その後のツイートでは、今の自分の状況について、「本日、ジャニスと私、4人の選挙運動スタッフについて、さまざまな脱税の罪で起訴するかどうかを審理する大陪審が、IRSにより招集された」と明かしています。

マカフィー氏は仮想通貨の重要性について、「仮想通貨はおそらく人類史上、火の発明以来の最も劇的な出来事である。なぜなら、仮想通貨は、政府に管理された通貨の歴史から個人を自由にするからだ」と強調。「誰もがプライバシーコインを使うようになれば、政府は税金を徴収することができなくなるだろう」とも指摘しています。

来日は中止の可能性も

最近のツイッターに投稿された発言や画像から、マカフィー氏は現在ベネズエラに向かっているのではないかとの観測も出ていますが、同氏は今後は自分がどこにいるかについて公表せず、大統領選が終わるまでの2年間はボートの上で生活すると表明しています。

マカフィー氏は、1月30、31両日に横浜市のパシフィコ横浜で開催される「ジャパン・ブロックチェーン・カンファレンス」(経済産業省など後援)でゲストスピーカーとして講演を行うため来日する予定でした。しかし、1月23日になって急きょ主催者側から、同氏はビデオ出演となる可能性があると発表されました。

1月22日時点で同氏のボートがベネズエラ近海を漂っているとすれば、月末までに日本にたどり着くのは難しいかもしれません。

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