ブロックチェーン技術を使ったデジタルトークンを音声データ化し、ラジオ番組などを通じてリアルタイムでリスナーに一斉配布できる、「TokenCastMedia(トークン・キャスト・メディア)」というユニークなシステムが日本で開発されました。3月に毎日放送のラジオ深夜番組「オレたちやってマンデー」の番組内で、このシステムを使ったエアドロップの実証実験が行われます。

博報堂が開発した新システム

この「トークン・キャスト・メディア」を開発したのは、大手広告代理店の株式会社博報堂(本社・東京都港区、水島正幸社長)が発足させた「HAKUHODO Blockchain Initiative」(博報堂ブロックチェーン・イニシアティブ)。2019年2月6日の博報堂の発表によると、これは、ブロックチェーン技術を活用して、トークンとして実装されたデジタルアセットを、リアルタイムで番組を視聴している生活者に対して一斉配布できるサービスとなっています。

同システムを使った実証実験の第一弾として、Dapps(分散型アプリ)ゲームのキャラクターやアイテムをラジオ番組内でリスナーに配布する「TokenCastRadio(トークン・キャスト・ラジオ)」の試験放送が3月に行われることになりました。

この試験放送は、博報堂のほか、株式会社博報堂DYメディアパートナーズ(本社・東京都港区、矢嶋弘毅社長)、株式会社毎日放送(本社・大阪市北区、三村景一社長)、トークンポケット株式会社(本社・東京都世田谷区、林田智樹社長)、株式会社フランジア(本社・東京都千代田区、小林泰平社長)、エヴィクサー株式会社(本社・東京都中央区、瀧川淳社長)の共同で実施されます。

ラジオ放送で配布したトークンをスマホで受信

近年、ブロックチェーン技術の発展により、生活者が発信する情報の信頼性が担保されるようになりました。それにより、デジタルトークンを活用した「トークンコミュニティー」が登場し、共通の価値観を持った生活者がトークンを介して価値交換できるような「コミュニティー」を形成するさまざまなサービスが生み出されています。

生活者一人ひとりがこれまで以上に発信・行動する主体となり、社会に価値を作り出す「生活者主導社会」になっていくことが予想されますが、テレビやラジオなどのマスメディアにおいても、ブロックチェーン技術の進歩に伴い、生活者がより主体的に参加し、楽しめる新たな番組作りが可能になっています。

「トークン・キャスト・メディア」は、デジタル資産の所有権を安全かつ迅速に移転できるブロックチェーン技術の特徴を応用し、トークンとして実装されたデジタル資産の情報を埋め込んだ「透かし音」を放送。これをスマートフォンの専用アプリで検出することで、リアルタイムで番組を視聴している生活者だけがデジタル資産を受け取ることができる、これまでにない生活者参加型の番組制作を支援するサービスです。いわば、ラジオ放送を使って、デジタルトークンのエアドロップ(無償配布)を行えるシステムとなっています。

番組内で「透かし音」としてデータ配信

3月に実施する予定の「トークン・キャスト・ラジオ」の試験放送では、フランジアが開発したDappsゲーム「Cipher Cascade(サイファー・カスケード)」にトークンとして実装されたキャラクターやアイテムの情報を、毎日放送のラジオ番組「オレたちやってマンデー」(毎週月曜日深夜0時より放送)内で「透かし音」として放送します。

番組のリスナーたちは、エヴィクサーの音声認識技術が組み込まれた、トークンポケットのスマートフォン用Dappsブラウザーアプリ「tokenPocket(トークンポケット)」を使い、放送中にゲームのキャラクターやアイテムを受け取ることができます。

マスメディアが価値を一斉配布できる媒体に

「トークン・キャスト・メディア」を活用して制作された番組では、生活者はメディアの視聴を通じて情報を得るだけでなく、デジタル資産のような価値を受け取ることができるようになります。このサービスを使った番組制作によって、マスメディアをこれまでのような、多くの生活者に情報を一斉に配信する媒体から一歩進めて、「多くの生活者に価値を一斉に届けることができる媒体」に進化させることが、このプロジェクトの目標とされています。

博報堂は2018年9月、「HAKUHODO Blockchain Initiative」を発足し、マーケティング領域におけるブロックチェーン技術の活用によるソリューション開発を進めています。

今後、「HAKUHODO Blockchain Initiative」は、社外パートナーとして、ブロックチェーンの技術企業やシステム・サービス開発企業、トークン設計コンサルティング企業などと連携し、生活者が主役となる「生活者主導社会」の実現に向け、企業と生活者の間に双方向の新たな関係を築く支援をしていくとしています。

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