皆さん記憶に新しいコインチェックのNEM消失事件。事件の発覚からここまでで、非常に様々な推測や情報が出回り、社会問題にもなりました。今回は、コインチェックが起こしてしまったNEM紛失事件について、ユーザーへの補償実施までの流れをまとめてみました。
※ちなみにツイッター界隈では、紛失事件のことをGOXと呼んでいます。これは2011年にビットコイン紛失事件を起こしてしまった、マウントゴックス社の社名が由来です。

コインチェックNEM消失事件-これまでの経緯-

コインチェックネム(NEM)消失事件を時系列を追って説明します。

コインチェックでNEMの入金が制限

日本中を騒がす大きな事件の前触れは、とてもささいなことでした。

コインチェックがNEMの入金を制限したのです。これにより他の取引所からコインチェックへNEMの送金ができなくなりました。

出典:Twitter

 

しかしコインチェックにNEMを送金する人はあまりいませんので、トラブルになることはありませんでした。
そしてこの時点でコインチェックのNEMに異常があると感じた人も、ほとんどいませんでした。

すぐにNEMの売買も停止

しかし次のツイートで、仮想通貨に投資をしている人達がざわつきます。

出典:Twitter

 

NEMの売買自体を停止したのです。

これにより、コインチェックのNEM、いえコインチェック自体に何かトラブルが起きているのではないか?
と騒ぎ始める人達がいました。

ちなみにこの時点で異常を察知して、日本円を出金した人がいましたが、すでに日本円の出金も停止していました。

「コインチェックからNEMが盗まれたのではないか?」とツイートをする人たちも現れます。

出典:Twitter

 

しかしまだ確信が持てません。
コインチェックアカウントへのリプ欄を見てみると、情報公開を求める人が溢れていますね。

コインチェックからの出金が停止

そしてコインチェック利用者全員が青ざめる状況が起きます。

出典:Twitter

 

コインチェックに預けている全ての仮想通貨、そして日本円もコインチェックから取り出すことができなくなったのです。

これにより、コインチェックにある資産を、利用者は一切動かすことが出来ません。今後何が起きても、指をくわえてみているしかできなくなったのです…。

コインチェックのNEMアカウントから大量の送金

そしてついに、コインチェックのNEMアカウントから、他のNEMアカウントへ大量の送金が合ったことが判明します。

出典:Twitter

 

コインチェック社が持っていた5.2億NEMのうち1NEMを残して、そのすべてが他のアカウントへ送金されています。

ただしこれは、「コインチェックがNEMを安全な場所へ移すために、すべてのNEMを送金したのではないか?」と予想する人も登場します。

山本一郎氏のブログが話題に

コインチェックのNEMは紛失したか?
それとも、保全のために送金したか?
でツイッターがざわつく中、山本一郎氏がブログを更新します。

出典:Twitter

 

山本一郎氏と言えば、インターネットの悪を倒す、切り込み隊長のイメージ。
そんな有名人が、このようなブログを書いたことで、もはやコインチェックのNEM紛失事件は確定したようなものでした。

コインチェックが記者会見

コインチェックが記者会見を開くと言う情報がツイッターで回ります。しかしソースがないため、デマだという人も…。

出典:Twitter

 

そんな折、コインチェックが記者会見を、開くことが確定。ニコ生&アベマTVで放送されることが確定しました。

コインチェックがNEMを紛失したことを発表

この記者会見で初めて、コインチェックがNEMを紛失したことを発表しました。

紛失したその日に開いた記者会見のため、不明な点が多かったのですが記者会見で判明した大きな内容は下記の通りです。

  1. すべてのNEMを紛失した
  2. 他の仮想通貨はすべて無事
  3. NEMはホットウォレットで管理していた
  4. マルチシグは使っていなかった
  5. サービス継続を目指していく

コインチェックはすべてのNEMを、不正に送金されていたことが判明。一部騒がれていた、リスクの紛失に関しては否定。

コインチェックは、ビットコインをコールドウォレットに保管していたがNEMに関してはホットウォレットに保管していた。

NEMのセキュリティ機能である、マルチシグは使っていなかった。マルチシグ搭載の準備はしていたが、搭載にまでは至っていなかった

と言うことです。

特に大きく問題視されたのは、NEMをホットウォレットで保管していたこと。ホットウォレットとは、インターネットに繋がったウォレットのことです。対してコールドウォレットは、インターネットにつながっていないウォレットのことで、コールドウォレットはインターネット経由のハッキングを受ける恐れがありません。

倒産か?サービスの継続が議論に

NEMの被害額を日本円に換算すると580億円となります。いわば、コインチェックから580億円が盗み出されたわけです。

一般的な企業で同じような被害が発生した場合、倒産することは間違いありません。

しかしコインチェックは、仮想通貨販売所。利益が大きいことが予想されました。(コインチェックは非上場企業なので、詳細な数字は公表されていません)

コインチェックは倒産するのか?それともサービスを継続できるのか?でツイッターが騒ぎます。

ちなみにもしコインチェックが倒産した場合、NEM持っている持っていないに関わらず、全ユーザーが損害を受けることになります(倒産後は債権者は平等に扱う必要があるため、NEMの保有は関係がなくなる)。

仮想通貨界隈の人の話は、コインチェックでもちきりでしたが、記者会見の後、しばらく動きがありませんでした。

金融庁が動き始める

コインチェックのNEM紛失事件は1月26日の午後に発覚。26日は金曜日だったため、1月29日(月)に、金融庁が早速動きます。

コインチェックに対し資金決済に関する法律第63条の16に基づく業務改善命令を出しました。

業務改善命令の内容は下記の通りです。

  1. 本事案の事実関係及び原因の究明
  2. 顧客への適切な対応
  3. システムリスク管理態勢にかかる経営管理態勢の強化及び責任の所在の明確化
  4. 実効性あるシステムリスク管理態勢の構築及び再発防止策の策定等
  5. 上記1から4までについて、平成30年2月13日(火)までに、書面で報告すること。

そして2月2日(金)には、コインチェックへの立入検査を行います。コインチェックには常に金融庁の職員が滞在することになりました。

その後、コインチェックは2月13日(火)に、金融庁へ対し改善策を報告します。

この一連の流れにより、「コインチェックは倒産するのではないか?」と言う声は徐々に収まっていきます。

なぜなら、倒産する会社が金融庁へ改善策を報告しないからです。

日本円の出金が再開

2月9日に、待ち望んだ展開が訪れます。コインチェックの出金が再開したのです。

出典:Twitter

 

まずは、日本円のみ出金が可能となりました。

コインチェックに日本円として置いていた人は多くありません。しかしそれでも、「日本円を返せるということは倒産の危機はなくなった」と考える人がたくさんいました。

アフィリエイト報酬が支払われる

コインチェックは、自社への集客をアフィリエイトに頼っていました。

仮想通貨ブログや人気ブロガーが、こぞってコインチェックを紹介しているのは、アフィリエイト報酬が高いという点が上げられます。

しかし「アフィリエイト報酬は支払われないだろう」と悲観的な人が続出していました。アフィリエイト報酬を支払う前に、利用者への返金が先だろうと思われていたからです。

しかしコインチェックからのアフィリエイト報酬は、正常に振り込まれました。多くのブロガーが一安心です。

出典:Twitter

 

また、より「コインチェックは潰れない」と確信を持つ理由ともなりました。(潰れるのであれば、アフィリエイト報酬を支払う必要がないため)

2018年3月12日NEM所有者への補償がついに実施

3月8日に金融庁から2度目の業務改善命令を受けたコインチェックは、同日に「仮想通貨NEMの不正送金に関するご報告と対応について」というプレスリリースを公表し、翌週を目処に実施すると発表をしました。

そしてその発表の通り、週が開けた3月12日に、同日中に、1月26日時点でNEMを保有していたコインチェックユーザーに対して不正送金に係る補償を行なうと発表しました。

また、同日より順次、一部仮想通貨の出金再開を行っていくとの発表もされました。

出典:Twitter

コインチェックのNEM消失事件-これからの予想-

580億円相当のNEMを紛失したコインチェックは、今後どうなるのでしょうか?

 

コインチェックは運営を継続できるのか?

コインチェックは運営を継続できるのか?は今でも討論されています。

コインチェックの売上は非上場企業のため公開されていません。

しかしコインチェックの取締役大塚雄介氏が、Bizトーーク!と言う番組で月間の取引高は4兆円あると明かしました。

4兆円・・・

コインチェックの場合は、仮想通貨取引所と販売所を併設しています。

仮想通貨の取引所はビットコインのみ。他の仮想通貨は全て販売所となっています。

販売所とは、コインチェックが持っている仮想通貨を、利用者に売ったり、利用者から買うサービスです。

ですので取引を仲介するだけの取引所よりも、利益を上げやすい構造となっています。

4兆円の内、半分がビットコインの取引とすると残りは2兆円。

コインチェックでビットコイン以外の仮想通貨を購入する際、大体3~5%のスプレッドが加算されます。

間を取って4%としましょう。すると2兆円の4%は800億円です。

月間800億円の利益を出せる会社であれば、580億円とされるNEMの損害も負担できるのではないか?と思われます。

ですので、コインチェックが倒産する可能性は低いと言えます。