仮想通貨は情報によって価値が急激に変動します。その為、仮想通貨にとって有益な情報が流れれば価値は大きく向上し、資産が増加する結果となるでしょう。しかし、逆に不利益な情報が流れれば、仮想通貨の価値は大幅に下落し、資産は大きく減少することになります。仮想通貨元年と呼ばれた2017年を終え、2018年1月には更なる仮想通貨市場拡大を多くの方が期待していましたが、2018年1月は仮想通貨に対して逆風が吹いたと言える状況です。日本国内大手の仮想通貨取引所での仮想通貨不正送金騒動や、世界各国での仮想通貨への規制強化の動きが活発化するなど仮想通貨の価値は大きく下落しています。

1.仮想通貨取引所コインチェックの2月の動向まとめ

2018年1月26日に日本国内大手仮想通貨取引所コインチェックから、仮想通貨ネム(NEM)がハッキングにより不正送金され、日本円にして500億円を超える被害が発生しています。この騒動を受け、コインチェックはビットコイン以外の仮想通貨売買、日本円の出金などが停止された状況で再開の目途が立っていませんでしたが、2月に入り事態が進展しています。

コインチェックは、2月13日ネムの不正送金騒動発生により、金融庁に提出を求められていた業務改善命令に係る報告書を提出した後に会見を開いています。この会見では、ネムの補償に必要な費用は準備できている事や金融庁からの業務改善命令を受けて管理体制の見直しを行っていることを発表しています。加えて、日本円の出金を再開したことを明らかにした上で、今後も事業を継続していく方針を明確にしています。

日本円の出金が再開したことで、仮想通貨売買再開に向けて前進したと見られています。しかし、コインチェックが本当に事業の継続が可能であるのかという点については誰もが不安でした。

2月19日には、コインチェックが他社との資本提携を模索しており、それを金融庁が後押しをしていることが明らかになっています。コインチェックが他社との資本提携を結べば、コインチェックが倒産する可能性が低くなり、ネムの補償をはじめとして、コインチェックで保有している仮想通貨が戻ってくる可能性が高まるでしょう。

2.仮想通貨取引所Zaifでバグが発生

2月の出来事では、日本国内大手の仮想通貨取引所ザイフで重大なバグが発生しています。Zaifが提供している簡単売買サービスにおいて、価格計算システムに異常が生じたため、一時的にwebシステム側でゼロ円でも売買できてしまうという不具合が発生しました。このバグにおいては、7名の利用者がゼロ円でビットコインを購入し、ゼロ円で購入したビットコインを取引所で売り注文を出したことから、取引板に異常な数値が表示されたというものです。

また、ゼロ円で購入した利用者が動画サイトに投稿した数量は21億ビットコイン。日本円換算で2,246兆円であり、世界中のすべてのビットコイン数量を時価換算しても遥かに足りない金額が表示される事態となっています。2月16日に動画が投稿された際には、Zaifが実際に保有していない仮想通貨を売買しているのではといった疑惑が生じたことから大きな問題へと発展し、仮想通貨の価値を一時的に下落させる事態を招いています。

結果としてZaif側が不具合発生中に即時対応を開始し、修正を行ったことから発生してから2時間ほどで正常な状態に改善されています。また、ゼロ円で購入した利用者に対しては相応の対応を実施し、他の利用者への影響がなかったことがZaifのホームページ内のお知らせで公表されています。結果として表示のバグという結果に落ち着いたこの問題ですが、Zaifの対応が遅ければもっと大きな騒動になりかねませんでした。その為、Zaifの対応は十分に評価できるものと言えるでしょう。

仮想通貨取引所のトラブルを受けての動向

仮想通貨取引所コインチェックの不正送金騒動を受けて、金融庁はコインチェック以外の仮想通貨交換業者の登録申請中のみなし業者にも金融庁の立ち入り検査を決めています。それに伴い、登録に向けた審査も厳しくする方針を明らかにしています。みなし業者は登録審査の最中ですが、金融庁としては一定期間が過ぎても安全管理体制が不十分なままであれば、登録を拒否して営業させない方向で検討しています。その為、金融庁が納得するだけの安全管理体制を整えることができなければ、国内のみなし仮想通貨取引所は事業が継続できなくなる可能性が非常に高い状況にあります。

そして、日本の仮想通貨取引所が加盟する2つの業界団体である、日本仮想通貨事業者協会と日本ブロックチェーン協会が4月に統合する方向で調整していると複数の関係者が2018年2月16日に明らかにしました。これまで両団体は主導権争いを繰り広げ、統合協議は進展しないままでしたが、仮想通貨取引所コインチェックからの仮想通貨流出を受け、両団体が危機意識を共有したことから、統合に向けた協議が行われています。

きっかけそのものは好ましい出来事ではありませんが、金融庁の審査の厳格化や仮想通貨の業界団体の統合により、これまでよりも安心して仮想通貨を取引できる環境が整えられていくでしょう。