昨年末から世の中から大きな注目を浴びるようになった仮想通貨ですが、その将来性や収益性の高さから異業種参入が相次いでいる状況です。世間に認知される存在となるためには、大手企業の参入が望まれるところですが、サーバーエージェントやLINEが取引所を作るとどうなるでしょうか?

コインチェック事件から分かったこと

今年に入って大騒動となったコインチェックのNEM流出事件ですが、事件の全貌はいまだ不明ですが、このコインチェック事件は我々に2つの事実を教えてくれることになりました。

一つは、言うまでもなく取引所のセキュリティに対しての脆弱性で、マウントゴックスの教訓はほとんど活かされておらず、セキュリティ対策は取引所任せではなく投資家自身も行う必要があるということ。

そしてもう一つは、取引所とはこんなにも収益性の高い企業であったということで、コインチェックは、顧客の流出したNEMの当時の時価換算で500億円弱という金額の支払いを始めたのです。

設立間もない小企業であるコインチェックが500億円以上の資金を所有していたということ自体が驚きですが、この収益性の源は一体何なのでしょうか。

考えられるのは、NEMなどの仮想通貨を大量に保有していた、もう一つは、大きすぎるスプレッドが大きな収益源となっていた、ということでしょう。

いずれにせよ、これほど儲かるわけですから、今後は大手企業などの参入も十分あり得るでしょう。

サイバーエージェントが取引所に参入したらどうなる?

実は、サイバーエージェントはすでに仮想通貨事業に参入しており、サイバーエージェントビットコインという子会社を2017年10月に設立しています。

もともとは2018年春に金融庁の登録を受ける予定でしたが、今回のコインチェック騒動から多くの取引所が業務停止命令などの厳しい処分を受けており、サイバーエージェントビットコインの登録申請にも影響が出るかもしれません。

サイバーエージェントは、外国為替証拠金取引(FX)事業にも乗り出しており、今ではすべて売却して手を引いていますが、今回はどうでしょう。

サーバーエージェントグループには、絶好調なコンテンツであるAbemaTVなどがありますが、このコンテンツ内で仮想通貨相場の実況放送を行ったり、人気投票を行ったりと、これまでにないような企画が楽しめるようになるかもしれません。

LINEが取引所に参入したらどうなる

LINEも2018年1月末に仮想通貨事業への新規参入を発表しており、金融事業関連の新会社LINE Financialを設立しています。

この新会社では、仮想通貨交換や取引所、ローン、保険といった金融関連サービスをコミュニケーションアプリのLINE上で提供すべく準備が進められています。

LINEが仮想通貨取引所などに参入すると、メッセンジャー運用で培ってきたセキュリティへの対応に加えて、ブロックチェーンテクノロジーなどの研究開発も推進していき、安全で便利な金融サービスの提供を目指すとしています。

LINEは、LINE Payでの全世界取引高が4,500億円を突破しており、登録ユーザーも4,000万人を達成するなど大きな成長を見せています。

このようなプラットフォームを持つ同社には、仮想通貨等の金融関連事業を進めるうえでは非常に有利な状況が整っており、本格的な金融事業分野の進出が注目されています。

情報弱者が救われるのか

投資の世界では、一昔前までは機関投資家と個人投資家の間には、大きな情報力の差が存在していましたが、インターネットの発達はその差を著しく狭めていくことになりました。

現在、歴史の浅い仮想通貨についても、情報力を持つ人とそうでない人との差は非常に大きなものがあり、仮想通貨に投資している人の中にも多くの情報弱者は存在しています。

サイバーエージェントやLINEが仮想通貨マーケットに参加することになると、強力なコンテンツやプラットフォームを通して情報が行き来することになり、個人投資家は確実により多くの情報を手にすることができるようになるでしょう。

もちろん、価値のない情報やかえって知らなかったほうが良かったという情報も多く流れることになりますが、情報がないという状況よりは情報が多いほうが間違いなく個人投資家には有利になります。

相場は賑やかなほうが良い

これだけネガティブな情報が多いにもかかわらず、仮想通貨事業への参入が増え続けているということは、多くの人が仮想通貨マーケットは今後も拡大していくことになると考えているからでしょう。

相場は賑やかなほうが良いですから、どんどん新規参入組がやってくることが期待されます。

新規事業者が増えることで競争も激しくなりますので、ユーザーにとってもより良いサービスを受けることができるようになる可能性は高くなります。

サイバーエージェントやLINEの仮想通貨事業への参入は、そのような意味からも大歓迎されるところです。