クール・ジャパンの代表格として万国共通語となった「コスプレ(cosplay)」。そのコスプレの世界が直面している諸問題をブロックチェーン技術で解決することを目指す仮想通貨プラットフォーム「コスプレトークン(Cosplay token)」が登場しました。

コスプレトークンとは

コスプレトークン(Cosplay token)は、世界最大級のコスプレサイト「キュアワールドコスプレ(Cure WorldCosplay)」を運営する株式会社キュア(川相潤一郎社長)が発行する仮想通貨。サイト内だけでなくオフラインでも流通させる計画で、世界にまたがるコスプレ経済圏の基軸通貨を目指しています。

「コスプレ」は、世界で通じるほど文化の一つとして広まりましたが、その一方、著作権の保護や、コスプレイヤーたちが報酬を得る手段が整備されていないなど、問題も抱えています。

コスプレトークンは、銀行口座やクレジットカードを持たない未成年のコスプレイヤーたちでも報酬や投げ銭を受け取れる送金・決済手段となるだけでなく、スマートコントラクトによる契約や著作権管理の機能も盛り込み、国境を越えたコスプレ経済圏の構築をしたいという思いから生まれています。

2018年6月にはエアドロップ(無料配布キャンペーン)を開催し、「Cosplay Token(COT)」プロジェクトの公式テレグラムの参加者は20万人を突破しました。

7月29日からは、日本の仮想通貨交換業者QUOINEの子会社が運営する海外仮想通貨取引所QRYPTOSを通じて、クラウドセールを行う予定です(日本居住者は対象外)。

キュアワールドコスプレ

コスプレの愛好家には、アニメなどのキャラクターにふんするコスプレイヤー(レイヤー)をはじめ、コスプレの撮影を趣味とするカメラマン(カメコ)、キャラクターの武器や防具などを作成する造形師、コスプレの鑑賞を趣味とするファンなど、さまざまな種類の人々がいます。「キュアワールドコスプレ」は、これらの愛好家たちが世界中から集まり、魔法少女から特撮ヒーローまでさまざまな写真を投稿、鑑賞している交流サイトです。180カ国から72万人のユーザーが参加、650万枚を超える写真が投稿されています。

コスプレ界の問題をブロックチェーンで解決

コスプレトークンは、現在のコスプレ界が抱えているさまざまな課題をブロックチェーン技術により解決することを目的に発行されるものです。

レイヤーが報酬を得る手段を提供

多くのコスプレイヤーは衣装制作費や撮影費、イベント参加費用などを自己負担で活動しています。一方で未成年者のコスプレイヤーには銀行口座やクレジットカードを持っていない人もたくさんおり、活動成果に見合った報酬を得る機会のない人がほとんどです。

そこで、コスプレトークンを導入することで、「キュアワールドコスプレ」内で優れたコスプレを披露したコスプレイヤーやカメラマン、造形師などに投げ銭を仮想通貨で送ることが可能となります。受け取ったコスプレトークンは他の仮想通貨と交換することもできるので、コスプレイヤーたちはそれを活動資金に充てられるようになります。

コスプレイヤーは自分の名前を冠した独自のプレーヤーコインも発行できるので、サポーターたちはお気に入りのコスプレイヤーのコインを購入することで応援することもできます。

コスプレに関する著作権記録や契約管理

コスプレは近年、産業として大きく成長しつつあるのに、これまではまだ著作権や契約管理の環境が十分に整備されていませんでした。もともと趣味の集まりの延長線上で原作者に無断でキャラクターを使っていることが多かったため、知的所有権についての認識が薄かったせいもあると思われます。

コスプレトークンはイーサリアムのプラットフォームを使っており、スマートコントラクトの機能を実装しているので、ブロックチェーン上にコンテンツの権利関係を記録することで著作権者に収益を配分できるほか、契約も簡単に結べるようになります。

コスプレイヤーへのハラスメントの防止

コスプレイヤーはその性質上、多数の人の目にさらされます。時には肌の露出の多いキャラクターにふんすることもあるため、ただ好きなキャラクターの格好をしているだけなのにセックスアピールをしているかのように誤解され、体を触られたり乱暴されたりするなどのトラブルもたびたび起きています。

欧米のコスプレイヤーたちの間では、そうした偏見に抗議する「Cosplay is NOT Consent(コスプレは同意ではない)」運動が広がっています。

コスプレトークンのプラットフォームでは、ブロックチェーンで各コスプレイヤーがそれぞれのファンの身元を識別できるようになるため、互いに顔の見える関係を築くことができ、ハラスメント抑止の一助になることが期待されています。

コスプレトークンの種類

「キュアワールドコスプレ」のプラットフォーム内で使われるトークンには、「コスプレトークン(COT)」と「プレーヤーコイン」の2種類があります。

コスプレトークンは「キュアワールドコスプレ」内での基本的な取引に使われる決済通貨です。ERC20規格のトークンで、TGEおよびICOを通じて発行されます。

プレーヤーコインは、コスプレイヤーが自分の名前を冠して独自に発行できるコインの総称です。コスプレトークンを準備金として運営元に預けることで、それを担保に発行されます。

まとめ

このようにブロックチェーンを活用して契約関係や権利関係が整備されることで、コスプレは今後巨大な収益が見込める産業分野として発展していくことも考えられます。

ただその場合、アニメキャラなどのコスプレ衣装が、同好の集まりの中での私的使用の範囲を超えて商業的に使われるようになれば、原作の著作権を侵害し、商標法などに抵触する恐れもあります。著作権者も自作のキャラクターが大々的に無断で商業利用されれば、黙って見てはいないでしょう

「コスプレトークン」のプロジェクトがこうした問題をどう解決していくか、寝た子を起こすことにはならないかも、気になるところです。

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