仮想通貨にはさまざまな種類があり、世界中には1500種類以上の通貨があるといわれています。数ある通貨のなかでも、リップル(Ripple)に注目している人もいるでしょう。リップルに投資をする場合は、特徴や仕組み、将来性などについて把握しておくことが大切です。特徴や仕組みを理解することで、ほかの通貨とどんな点が差別化されているのかがわかってきます。また、将来性の有無は、リップルへの投資判断の材料になるでしょう。そこで、リップルの特徴や仕組み、将来性について解説します。

リップルの特徴やメリット

一般的な仮想通貨の特徴は、円やドルなどの法定通貨のように中央銀行などの管理者がいないことです。しかし、リップルは違います。

リップルは、ほかの仮想通貨とは異なり、リップル・ラボ(Ripple Labs Inc)という管理者が存在する通貨であるという点が特徴です。また、多くの仮想通貨が決済目的で作られているのに対して、リップルは送金システムとして開発されたという点にも違いがあります。

リップルへの投資を行うにあたっては、この通貨の仕組みや開発された背景、さらには歴史などについても知っておくことが大切です。そこで、リップルが開発された背景や目的、リップルの持つ仕組みやメリット、ほかの仮想通貨との相違点などについて紹介します。

リップルが作られた背景や目的

リップルは、送金目的に特化して開発されました。ビットコイン(Bitcoin)の欠点として、送金スピードが遅いことが指摘されています。リップルはその欠点を解消できるとされています。

リップルは、銀行間の送金効率を上げることを補い、新しい国際送金の環境を作ることを目的として開発されたというのが背景です。国境に左右されないボーダーレスな価値の移動を実現する「価値のインターネット(Internet of Value/IoV)」を創るという国際的な送金用プラットフォームがリップルの目指す姿とされています。

既存のインターネットは、情報のやりとりを自由に行える環境を実現しました。しかし、通貨の移動などについてはまだ不十分だという観点から、すでにある「情報のインターネット」に「価値のインターネット」を加えることがリップルに期待される役割です。リップルは、インターネット上で価値の移動を自由に行える送金システムを目指しています。

リップルの仕組み

リップルの仕組みの特徴は、決済手段や通貨の違いに関係なく、さまざまな送金形態に対応できる拡張性があることです。法定通貨同士や、法定通貨と仮想通貨、さらには仮想通貨同士を交換するときにブリッジ通貨としての役割を果たします。

異なる通貨の取引台帳を持ったネットワークを高速でつないで送金するILP(インターレジャープロトコル)や、リップル独自のコネクターシステムであるXRP Ledgerがドルや円、ユーロなどのメジャーの通貨からズウォティ(ポーランド)といったマイナー通貨への送金をスピーディーにできる仕組みです。

既存の銀行間国際送金システムでは、送金までに多くの銀行が送金情報を手作業でつなぐため送金に時間がかかりますが、リップルでは各銀行のシステムをネットワーク上でつなぎ自動的に送金情報のリレーを行うことを実現しています。

また、取引台帳を納めるブロックが生成される間隔が短く、取引承認に時間がかからない仕組みが採用されている点も大きな特徴です。

リップルは、不特定多数が仮想通貨ネットワーク上で取引履歴の検証と承認を行う方式を採用していません。リップル社が持つ一定条件を満たした承認者だけで承認を行う仕組みです。そのため、送金承認までの時間が短縮され、スピーディーな送金ができる環境になっています。

リップルの他の仮想通貨との違い

リップルには、取引履歴の検証・承認方法の違いや決済目的ではなく送金目的で開発されたということ以外にも、ほかの仮想通貨とは異なる点が3つあります。1つ目は、海外の大手金融機関との提携が積極的に行われていることです。提携関係が世界中に広がって進んでいくことによって、リップルの認知度と利用範囲は拡大していきます。その結果、送金システムにおけるリップルの存在感はますます大きくなっていくことが期待できるでしょう。

2つ目は、リップルには中心となって管理する者が存在することです。中央管理者が存在することで、提携における交渉などがスムーズに行われることにつながります。また、リップルがどのような方向に発展していくのかが明確である点も、中央管理者が存在するメリットです。

3つ目は、リップルがブリッジ通貨の役割を果たすことです。法定通貨間はもちろん、仮想通貨同士の送金を実現するブリッジ通貨の役割を果たせることは、リップルの強みだといえるでしょう。

リップルの問題点と対策について

低コストで速く、さまざまな送金に対応できるリップルですが、運用するうえではいくつかの問題点があります。問題点を解決できれば、リップルにはさらなる発展余地が生まれるでしょう。

また、問題点の解決は、送金システムとしてのリップルや通貨としてのリップルの価値の上昇につながる可能性もあります。そこで、リップルの問題点と対策について解説します。

リップルの問題点

リップルが抱える主な問題点は2つあげられます。

1つ目は、リップルの総発行通貨量1000億XRPのうち、リップル社がその約6割を握っていることです。これだけの通貨量を保有していれば、リップル社による価格操作の可能性も否定できません。また、リップル社が保有し続けることで通貨の流通が滞るという問題もあります。

2つ目は、ハッキングなどによる盗難や不正送金のリスクがあることです。過去には、リップルを管理する個人口座にハッキングによる不正ログインで送金されてしまった事例もあります。

また、仮想通貨交換業者が不正アクセスを受けて通貨を流出させた事件も発生しています。リップルに限ったことではありませんが、仮想通貨はハッキングのターゲットになりやすい状況が続いていることは否定できないでしょう。

取引履歴を改ざんできないというメリットがあったとしても、不正ログインに弱いと通貨や送金システムとして生き残ることは難しいという点が課題です。

どう対策・管理したらいいの?

主な対策は、2段階認証の設定とハードウェアウォレットでの保存です。2段階認証とは、ログインパスワードによる1段階の認証だけではなく、売買や出金、送金処理を行う場合にSNSやメールなどでコードを受け取って入力する2段階の認証が必要なセキュリティ方式のことです。

2段階認証を設定することで、なりすましによる不正ログインを防ぐことができます。2段階認証は、ユーザーが任意で設定することになっている取引所が多いため、自分で設定を行う必要があります。

また、ハードウェアウォレットとは、USBなどインターネットにつながっていない状態で仮想通貨を保存できる機器のことです。インターネットと切断されていることでハッキングから通貨を守れます。取引に使用しないリップルは、ハードウェアウォレットに入れて保存することが大切です。

リップルにまつわるトレンドニュース

リップルへの投資を検討している場合は、リップルに関連するニュースにも関心を持つことが大切です。

最近の主なトレンドニュースは3つ。

1つ目は、大手金融機関のSBIホールディングスとリップル社が共同開発した送金システムにリップルが実装される予定であるというニュースです。このシステムには24時間リアルタイム送金ができるという特徴があります。いつでも送金を可能にする金融インフラとなる予定です。

2つ目は、アジアを中心にリップルを使った送金が活発になってきていることです。アジアでの提携が進んでいることが理由の一つだといわれています。

3つ目は、2018年秋スタートを目処に、リップルを使ったアプリによる携帯端末決済が始まる予定だというニュースです。国内主要銀行である住信SBIネット銀行、りそな銀行、スルガ銀行が実現に向けて取り組んでいます。

リップルのチャート推移について

リップルは、2017年3月頃まではほとんど1円未満の価格で推移していました。しかし、3月末に2円台、4月末には5円台、5月と6月末には28円台と価格が急上昇します。

2017年11月までは18~28円台で推移しました。2017年12月に価格はさらに急騰し最高値283円をつけます。年末の終値でも213円台を維持し、2018年1月に385円まで急騰しました。しかし、月末には123円台にまで急落します。

2018年2月末は94円台、3月末には51円台と価格を切り下げ、下落局面が続く状況でした。その後、4月に再び価格は上昇し90円台に乗せますが、再び下落局面です。

将来的には、送金システムとして使われる機会が増えると価格も上昇する可能性があるでしょう。ただし、リップル社は一定期間のうちは市場で持ち株の売却をしない仕組みになっているため、毎月10億がロックアップ期限を迎える2018年は、解除間際の価格急落がありうるともいわれています。価格変動幅は大きいため、高値つかみへの注意が大切です。

リップルの今後の将来性

リップルへの投資を長期的なスタンスでやりたいという投資家は、リップルの将来性についても情報収集しておくことが大切です。

リップル社は、クレジットカード会社や各国中央銀行を含む世界中の金融機関とのネットワークを拡大しています。

2018年6月12日には、リップル社の最高経営責任者(CEO)から「数十行の銀行がリップルを利用する海外送金システムの開発を目指している」との発言もありました。送金システムとしてのリップルが活用される可能性が広がっているといえるでしょう。

また、時価総額が大きく人気がある点も将来性につながります。2018年6月時点での時価総額は、ビットコイン、イーサリアム(Ethereum)に次ぐ3位です。

さらに、Google Ventures (グーグル・ベンチャーズ)による出資や仮想通貨取引所のCoinEx(コインイーエックス)やDX.Exchange(DXエクスチェンジ)への上場が決まるなど、リップルへの関心はさらに高まっています。

長期的な視点でリップルの将来性を見極め、価格が割安のタイミングで投資してみるとよいでしょう。

リップルは世界中の金融機関を巻き込んだ巨大な決済インフラになりうる

リップルは、ほかの仮想通貨にはない特徴があります。送金目的で開発されたシステムであることや、ブリッジ通貨の役割を果たせること、中央管理者としてリップル社が存在することなどです。

将来的には、リップルを活用した送金・決済システムの構築が世界中の多くの金融機関が参加のもとで実現するといわれています。そうなれば、ますますリップルの存在感は高まり、リップルの価値は上昇する可能性があります。

また、価格変動幅はしばらく大きい状況が続くとみられています。そのため、価格が大幅に下がったタイミングを見計らって長期投資を始める価値はあるでしょう。

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